プーチン時代の終わりの始まり?
―― 反乱が暴きだした問題の本質
2023年8月号

プーチンの権力基盤は、親大統領派と「もの静かな群衆」たちだ。この堅固な基盤の上に、エリートや治安当局の対立派閥が存在し、プーチンはこれらの集団を互いに競い合わせてきた。一方、プリゴジンは、前線の悲惨な状況と「国防省にロシア軍の栄光についての話を聞かされ、現実を知らないプーチン」の孤立を際立たせた。今回の反乱に続くのは、かつての状況を回復し、屈辱を晴らし、おそらくは報復しようとするプーチンの試みだろう。動揺、逆襲、不確実性が状況を支配することになるし、この状況が短期間で終わるとは考えにくい。ウクライナでの戦争が終結し、ロシアの権威主義が弱まる」という最善のシナリオが実現されることを望む一方で、われわれは最悪のシナリオに備える必要がある。