経済制裁という名の大量破壊兵器
1999年6月号
経済制裁と大量破壊兵器とのどちらが相手国の市民にとってより苦痛なのか、よく考えたほうがよい。「冷戦後」という時期で見ると、おそらく大量破壊兵器による犠牲者よりも、経済政策によってより多くの犠牲者がでている。制裁は軍事面に限定し、抑止の強化をもっぱら心がけ、市民を苦しめている経済制裁は緩和していくべきだろう。たとえ兵器ではなくても、経済制裁が人を殺すことに変わりはなく、しかも犠牲になる市民の多くが罪のない子どもたちなのだから。
