cactii / Shutterstock.com

金融政策の民主的管理を提唱する

シェリ・バーマン プリンストン大学助教授   キャサリン・R・マクナマラ プリンストン大学助教授

Bank on Democracy

Sheri Berman プリンストン大学の助教授(政治学)で、その著書に『戦間期ヨーロッパの理念と政治』がある。 Kathleen R. McNamara プリンストン大学の助教授で、『通貨の政治学と欧州連合』の著者。

1999年6月号掲載論文

政治的に高度な独立性を備えた中央銀行に、金融政策の決定権を委ねるというのが昨今の流行である。金融政策を成功へと導くには秩序立った長期的視野が必要なため、短期的で政治的になりがちな政策決定プロセスに委ねることはできない、というのがその理屈だ。だが、はたして高度な独立性を持つ中央銀行による決定が、経済を豊かにしていると言えるのか。それは、民主的統治というわれわれのシステムの基本からの逸脱を認められるほどに大切なのか。その答えはノーと言って差し支えないだろう。「ドイツ連邦銀行のインフレ・ファイターとしての役目は、この組織に法による独立性が認められていることによってではなく、むしろインフレ対策を経済政策の主要な目的とすることを市民が広く受け入れているという事実に根ざしているのだ」。中央銀行、とくに欧州中央銀行の独立性を支持する人々は、民主主義の本質はそれがつくりだす結末ではなく、その結末に至るプロセス、それが正統性を備えていくプロセスにあることを、再認識すべきではないか。

  • 市民に責任を負わない中央銀行
  • 独立性を認めても経済効果はない
  • 大切なのは民主的管理ではないか

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

Copyright 1999 by the Council on Foreign Relations, Inc.

Page Top