中国が世界貿易機関(WTO)の前身である、関税貿易一般協定(GATT)への加盟申請をしたのは1986年。そして、実際に加盟を果たしたのは2001年だった。……なぜ各国政府は、このような面倒な手続きをこなしてまで、かつては「金持ちクラブ」と揶揄されていたWTOに加盟しようとするのだろうか。
……実際には、各国の政治指導者が根本的な改革の必要性と必然性に気づき、外部からの支援がなければそのような変革を成し遂げることができないことを認識したことが、WTOへの加盟を模索した大きな理由だろう。政治指導者がある種の外圧を必要とし、WTOがそれを提供したと考えるべきだろう。
……WTO加盟をめざすことで得られる自己抑制によって良い統治が促進されることになり、その結果、経済的繁栄がもたらされることになる。
