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2022.5.20. Fri

新しいアラブ・イスラエル関係
―― アブラハム合意のポテンシャル

2020年、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン王国はアメリカの仲介で国交を正常化した。アブラハム合意として知られるこのアレンジメントは、これまで経済統合がなかなか実現しなかった中東地域での奥深い経済統合を促すだろうし、世界の投資家を魅了し、この地域全体の成長に貢献すると考えられる。一連の和平合意は、かつては望みようもなかったイスラエルとアラブ諸国との政治・安全保障協力に道を開き、地域紛争を抑え、イランを抑止できる地域国家連合の形成へとつながっていくポテンシャルを秘めている。(シン)

中ロが中東への関心を高め、イランが頑迷な路線を崩さず、スンニ派アラブ諸国がアメリカの安全保障コミットメントをかつてなく疑いだしたタイミングで、ワシントンは中東における活動を手控えようとしている。シーア派イランの優位を覆そうとするスンニ派の動きが地域的に広がりをみせている。より安定した地域秩序への道を切り開かない限り、アメリカは遠ざかろうと試みても、結局、中東の地域紛争に引きずり込まれるだろう。大きな鍵を握るのが、イランとの核合意を再建できるかどうかだ。(ナスル)

石油を財源とする福祉国家モデルはもはや維持できないことを理解したサウジの指導者たちは、社会的支出の拡大を求める圧力が高まっているにもかかわらず、規律あるオーソドックスな財政政策を模索している。消費によって牽引される経済を促し、支出を削減し、世界的な石油需要の低下を乗り切ることを重視し、無駄をそぎ落とした政府を構築しようとしている。新たな歳入源を探るとともに、原油価格の変動に応じた歳出をなくすことで、サウジ政府は湾岸諸国における財政保守の新たなモデル基盤を築こうとしている。(ヤング)

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