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2022.4.14. Thu

米同盟ネットワークの本質
―― 独仏日韓と同盟関係の未来

中国は尖閣諸島を「台湾省」の一部とみなしているため、台湾をめぐって紛争になれば、尖閣諸島も攻略しようとするかもしれない。中国による台湾編入が成功すれば、日本の経済的安全保障も損なわれる。だが、市民の平和主義が根強いために、アメリカを支援することに伴う潜在的なコストやリスクが、日本による支援を制約することになるかもしれない。アメリカにとって重要なのは、中国が挑発もされないのに台湾を攻撃した場合に日本がどのように反応するか、東京がどのようなタイプの支援をどの程度提供する用意があるかについての理解を深めておくことだろう。(サックス)

傷ついた同盟関係を慎重に修復することをバイデンに求める人々は、トランプ政権期に実際に起きたことを誤解している。アメリカの同盟システムは、上下関係と依存そしてアメリカパワーの永続性の上に築かれている。このシステムは、世界的影響力を獲得・維持しようとするワシントンの努力を支えることでアメリカに利益をもたらし、同盟国には防衛費削減の道を開くだけでなく、貿易利益を拡大することで恩恵をもたらしてきた。これが同盟関係に奥行きと打たれ強さを与えてきた。トランプによる権限の乱用やバイデンによるアフガニスタンからの一方的撤退を同盟国が許容したのも、こうした奥行きをもっていたからだ。(ケリー、ポースト)

北朝鮮がアメリカとその同盟国をミサイル発射で挑発したタイミングで、中国が他の地域で行動に出る恐れがある。戦略的競争の時代にある現在、朝鮮半島、東シナ海、台湾海峡は、良くも悪くも、ますます関連性とリンケージを高めている。こうした安全保障環境の変化に対応するには、日米韓の戦略家がこれらの問題をパッケージ化して捉え、対応策を考案しなければならない。金正恩や習近平を牽制するには、必要なら二つの戦争を同時に戦い、その双方に勝利できることを立証する必要がある。(チョ、マストロ )

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