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2022.11.14 Mon

イラン民衆の本当の不満
―― 保守強硬派に対する社会反乱

22歳の女性が風紀警察で拘束中に死亡したことをきっかけとするイラン女性たちの抗議運動は、今後、大きな変革を引き起こすかもれない。ヒジャブの着用は、イスラム国家・イランのアイデンティティーのシンボルとされてきただけに、女性たちがヒジャブを脱ぐことを国が許せば、聖職者による支配構造が弱体化し、最終的には崩壊する恐れもある。(タバール)

民衆がデモに繰り出したのは、選挙で選ばれた大統領と議会の立場を、ハメネイや革命防衛隊など選挙を経ない保守強硬派が無視するか、覆している現状に、もはや我慢できなくなったからだと考えることもできる。「ハメネイに死を」、「聖職者たちを政治から追い出せ」というデモ隊のスローガンは、いまやイランの民衆が、1979年のイラン革命以降、もっとも過激な変革を求めていることを意味する。(バタンカ)

イランの前大統領は、巨大国内市場を欧米企業に開放する手段として核合意を利用しようと試みたが、ライシ政権は、むしろ中国、ロシア、近隣諸国との経済関係を強化することで、イランを制裁の余波から切り離したいと考えている。テヘランの戦略は、アメリカの影響力に抵抗し、強制力には強制力をもって対抗することだ。(タバァー)

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