Focal Points

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2021.8.17. Tue

アフガニスタンという帝国の墓場
―― 何が問題だったのか

パキスタンの荒野の西端、曲がりくねったカイバル峠の最後の前哨地点であるミシュニ・ポイントは、トーカムゲートを見下ろす軍事的要所だ。ミシュニ・ポイントは、南・中央アジアの支配、あるいは、南・中央アジアからの侵略のルートとしてもっとも頻繁に利用された要所である。だが、ここを通過してアフガニスタンへと兵を進めた勢力のすべては、手に負えないアフガニスタン部族との問題に遭遇することになった。(ベアーデン)

タリバーンが牛耳るアフガニスタンは、今やパキスタン、イラン、中央アジア諸国、イスラム教徒の多い中国の新疆ウイグル自治区の反政府イスラム勢力が安心して逃げ込める「聖域」となっているだけでなく、軍事訓練の拠点と化している。しかも、アフガニスタンは今や世界最大のアヘン生産国で、この犯罪経済に周辺諸国が巻き込まれつつある。タリバーンが支配するアフガニスタンから、暴力、麻薬、カオス、テロリズムが周辺地域へと拡散するのを放置すれば、いずれわれわれは途方もないコストを支払わされることになる。(ラシッド)

アメリカはアフガニスタンの北部同盟と手を組んで、アルカイダとタリバーンの掃討作戦に乗り出したが、この新しい盟友のなかには、タリバーンが権力の座に就く前にアフガニスタンに未曽有の破壊をもたらした当事者たちが紛れ込んでいた。北部同盟のムジャヒディンの多くは、タリバーンと比べてさえ遜色ないイスラム原理主義者たちだ。アメリカは北部同盟に武器、資金、さらには名声までも与えて彼らを増長させ、その結果、そもそも脆弱なカルザイの権力基盤がますます損なわれている。(ギャノン)

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