Focal Points

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2021.7.28. Wed

<8月号プレビュー>
再生可能エネルギーの新地政学

ランサムウェア攻撃でアメリカ最大のパイプラインの一つが2021年5月に閉鎖に追い込まれる事件が起きた。遠く離れた場所の得体のしれぬ勢力が遂行した(重要な国内インフラを対象とする)複雑なデジタル攻撃は今後の脅威を予兆している。(再生可能エネルギーによる)電力が世界のエネルギーシステムでのプレゼンスを拡大していくにつれて、より多くのインフラがサイバー攻撃にさらされるようになるだろう。(電力インフラをターゲットにする)サイバー空間での活動を規制する国際ルールの確立を主導するのは、冷戦期における核軍備管理合意と同じくらい重要な試みになる。「デジタル化された世界の地政学」に向けて、ワシントンは現状を大きく見直す必要がある。(ジャッフェ)

「複雑なシステムのよりスマートな管理」や「データ分析」、そして「オートメーション」によってエネルギー産業は再び変貌し始め、エネルギー企業の生産性と柔軟性はさらに高まっている。しかもこれらの変化は資源開発企業だけでなく、電力を生産・供給するセクターも変貌させ始めている。より分権化され、消費者にフレンドリーで、さまざまな資源で生産した電力をきわめて信頼性の高い送電ネットワークに統合する力をもつ、新しい電力産業が誕生しつつある。・・・(ビクター、ヤノセック)

気候変動に対して大きな脆弱性をもつ国は、特定のリスクファクターを抱えている。農業部門への依存が高いこと、最近、国内紛争を経験していること、そして政治制度が特定の人種・宗教・民族集団に対する差別を内包していることだ。干ばつや洪水は、農業依存が高い国の多くの人の収入を低下させ、深刻な食糧危機を引き起こす。特に農業が気候の変動に脆いことを認識する必要がある。農産品の収穫量の大幅な減少を阻止するために、農業のあり方をどう変化させればよいかも早急に考える必要がある。(バスビー、ユクスキュル)

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