Focal Points

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2021.12.20. Mon

<2022年1月号プレビュー>
エネルギーの新地政学、フォロー・ザ・マネー、排出量削減にクリスパーを生かせ

クリーンエネルギーへの転換がスムーズなものになると考えるのは幻想に過ぎない。グローバル経済と地政学秩序を支えるエネルギーシステム全体を再構築するプロセスが世界的に大きな混乱を伴うものになるのは避けられないからだ。例えば、産油国は、転換プロセスの初期段階ではかなりのブームを経験するはずで、クリーンエネルギーの新しい地政学が石油やガスの古い地政学と絡み合いをみせるようになる。クリーンエネルギーは国力の新たな源泉となるが、それ自体が新たなリスクと不確実性をもたらす。クリーンエネルギーへの移行が引き起こす地政学リスクを軽減する措置を講じないかぎり、世界は今後数年のうちに、グローバル政治を再編へ向かわせるような新たな経済・安全保障上の脅威を含む、衝撃的な一連のショック(非継続性)に直面するだろう。(メーガン、オサリバン)

気候変動対策をめぐる現在の国際アプローチは危機の深刻さに見合うものではない。正面からの対策をとるには、パリ協定のような段階主義ではなく、国際貿易・金融のルールそのものを書き換える必要がある。各国が脱炭素化の目的から(環境を重視しない国に対する)国境炭素税を導入できるように、貿易規制を緩和する必要もある。世界貿易機関(WTO)やG20などの金融フォーラムに気候変動アジェンダを持ち込めば、政策立案者が利用できる手段は増え、気候変動対策を妨害する石油企業、鉱山会社、重工業産業など、気候変動対策によってダメージを受ける大規模な排出主体の活動を抑制できるようになる。(グリーン)

世界の温室効果ガス排出量の約3分の1は食糧生産に由来している。「環境に優しい農業」だけでは十分に問題を解決できない。各国政府は、CRISPR(クリスパー)技術などの最新科学を対策に取り入れていく必要がある。問題は、多くの政府が、遺伝子組み換え技術やクリスパー技術を作物に使用することに強く反対しているために、気候変動に対処するための手段が制約されていることだ。気候変動と闘い、農業のレジリエンスを高めるには、考え方を改めなければならない。(コバック)

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