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2020.3.23 Mon

大国間競争の時代へ
―― アジアとヨーロッパにおける連合の形成を

未来の歴史家は、21世紀初めにワシントンが超大国間の競争に焦点を合わせるようになったことを、もっとも重要な帰結を伴ったストーリーとして解釈することになるはずだ。ライバルは台頭する中国そして復讐心に燃えるロシアだ。かつて同様に、アメリカが安全保障を確保し、自由社会としての繁栄を実現していくには、アジアとヨーロッパというもっとも重要な地域で好ましいパワーバランスを確保し、アメリカの社会と経済そして同盟国を、パワフルなライバルとの長期的競争に備えさせる必要がある。(コルビー、ミッチェル)

中国とロシアは自国の利益や価値のために、欧米の利益を無視して、公然とパワーを行使するようになり、ワシントンも、地政学が「大国間競争」によって規定されていることを認識している。すでに世界には複数の勢力圏が存在することをリアリティとして受け入れ、「実現不可能な野望」は放棄し、勢力圏が地政学を規定する中核要因であり続けると言う事実を受け入れる必要がある。(アリソン)

中ロのパートナーシップは不自然だし、その見込みはあまりないと考えるアメリカの専門家は多い。しかし、両国は政府のあらゆるレベルでの交流を深め、緊密に連携している。問題は、中ロパートナーシップをめぐって、欧米の専門家のコンセンサスがないために、ワシントンの政策決定者が、中ロ関係の有害な作用を阻止できなくなるまで、中ロ関係の本質について議論し続けるリスクを冒していることだ。(テイラー、シュルマン)

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