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2019.2.5. Tue

戦後秩序の再建か、終焉か
―― 不安定な米中二極体制

冷戦後、欧米社会の多くの人が、秩序は自分にプラスに作用していないと反発するようになった。そこに協調よりも競争を、自由貿易よりも保護主義を、民主主義よりも権威主義を好ましいと考えるトランプが登場する。それでも、リベラルな秩序は動いている。秩序の第4局面を切り開くのは容易ではないが、そうできるし、問われているものが非常に大きいだけに、そうしなければならない。(ローズ)

保護主義、ナショナリズム、ポピュリズムがさらに勢いをもち、民主主義は廃れていく。グローバルな課題に向けた国際協調も不可能になっていく。この描写に違和感を覚えないとすれば、現在の世界がこの方向に向かっているためだろう。・・・世界が壊滅的な事態に遭遇するというシナリオが不可避でないことはグッドニュースだ。バッドニュースは、そうならないという確証が存在しないことだ。(ハース)

いまや問うべきは、米中二極体制の時代がやってくるのかどうかではなく、それがどのようなものになるかだ。ほとんどの諸国は、問題ごとに米中どちら側につくかを決める外交政策を展開するようになり、多国間主義は終わりを迎える。欧米のナショナリズムと中国の国家主権へのこだわりが重なり合う環境では、政治的統合やグローバル統治の余地はほとんどなくなっていくはずだ。・・・(閻学通)

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