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2019.2.4. Mon

北京の宗教政策の意図
―― 宗教・政治・社会のハイブリッドイデオロギー

中国政府が人々の信仰にまで立ち入るのは、中国社会が漂流し、シニカルになり、価値を喪失していることを政府も理解しているからだ。宗教と政治が重なり合って社会抗争と暴力を引きおこしているアジアの国と言えば、多くの人はインド、インドネシア、パキスタンを思い浮かべる。だが近い将来に、このリストに中国の国名を見出すことになるかもしれない。(ジョンソン)

経済一辺倒だった社会に、どうすれば社会的一体感や価値を取り戻せるだろうか。この数十年にわたって、中国では宗教的伝統が激しく弾圧され、そこにあるのはむき出しの資本主義だけだった。だが、現在の中国では、多くの人が社会に疑問を抱き、宗教色の希薄なこの国の世俗的な社会では見つからない答えを求めて宗教や信仰に目を向けている。・・・(ジョンソン)

いまや中国人の多くは自らの人生に意義や価値を見いだそうとし、キリスト教やチベット仏教に帰依する人も多い。問題は、共産党が物質的に快適な生活だけでなく意義のある生活を求める声に対応する準備ができていないことだ。環境危機や経済危機によって安定と成長を維持できなくなれば、共産党は、民衆を管理するのはもちろん、民衆にアピールする手段がほとんどないことに気付くことになる。(オズバーグ)

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