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2018.5.9 Wed

新中東秩序の模索
―― パートナーはサウジ・イスラエルか、イランか

イランの核問題に関する最終合意として知られる包括的共同作業計画(JCPOA)は、歴史上もっとも大きな問題を内包する軍備管理合意の一つだ。この合意ではイランがウラン濃縮をする権利だけでなく、ウラン濃縮を産業化する権利さえも認められている。研究・開発施設の建設も許容され、検証・査察制度も実質的に骨抜きにされている。つまり、イランは経済制裁の解除を手にするだけでなく、核開発を正統化することに成功した。ワシントンはイスラエル、湾岸諸国とともに、イランに対する圧力行使策をとる以外に道はない。そうしない限り、中東の不安定化とイランの影響力拡大が続くことになる。(コーエン、エーデルマン、タキー)

ワシントンでは「イランの影響力を押し返せば中東に秩序を取り戻せる」と考えられているが、これは間違っている。むしろ、今後の持続可能な中東秩序にとって、イランが必要不可欠の存在であることを認識しなければならない。中東の同盟諸国にはイランをアラブ世界から締め出す力はなく、仮にそうできたとしても、イランが残した空白を埋めることはできない。結局、中東で大きな問題が起きれば、アメリカは介入せざるを得なくなる。対イラン強硬策を続けても、イランの影響力を低下させることはなく、むしろ中東におけるロシアの影響力を拡大させるだけだ。(ナスル)

イランの核兵器開発をめぐる問題の多くは、テヘランが核開発を試みているからではなく、イスラエルが核を保有していることに派生している。イランが核武装すれば、他の核武装国がそうするように、相互抑止環境が形作られる。これまでのところ、核武装国同士の全面戦争は起きていない。イランが核武装に成功すれば中東で抑止状況が生まれ、中東により安定した秩序が生まれる。イランの核武装化は最悪ではなく、最善のシナリオだ。(ウォルツ)

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