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政治・文化・社会に関する論文

「私はアメリカの相対的地位が低下する一方で、ヨーロッパやアジアが台頭するといったとらえ方はしていない。アメリカの相対的な立場が低下し、他の多くの諸国が混乱のなかで競い合うようになる。これが現実に起きていることだ」。むしろ、国がパワーを独占した時代は終わっていることを認識する必要があるとR・ハース米外交問題評議会(CFR)会長は強調している。「ドルの流れという点ではシティ・グループやメリルリンチなどがより大きな役割を果たしていくようになるし、政府系ファンド領域ではアブダビ投資庁(ADIA)、グローバルな公衆衛生領域ではゲイツ財団などのプレーヤーが台頭している。中東の武装集団も、パキスタン西部に隠れているテロ集団も無視できない存在になる」。もはや、脅威やアジェンダがかつてのようにはっきりとしたものでない以上、国だけでは問題に対処できないし、京都合意のような包括的な国際合意の形成も、もはや期待できないとハースはみる。必要なのは、かつてのような同盟関係ではなく、是々非々の多国間主義であり、これまでの多国間主義とは異なる協調のスタイルを考えていく必要があると指摘した。邦訳文は5月にワシントンで開かれたCFRミーティングの質疑応答からの抜粋。

アジアの世紀の到来と 欧米秩序の運命
――秩序の進化を阻む欧米のダブルスタンダード

2008年6月号

キショール・マブバニ  国立シンガポール大学公共政策大学院長

自分たちが主導する時代が終わりつつあること、そして、アジアの時代が到来しつつあることを欧米の指導者はなかなか受け入れられずにいる。国連安保理、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、主要8カ国(G8)などの主要なグローバルフォーラムにおける特権的な立場にしがみつき、いかに自分たちがアジアの世紀に対応していくべきなのかを考えようとはしない。アジアの目標はアメリカとヨーロッパが成し遂げた成果に続くことだ。欧米の成功を自分たちが再現したいと望みこそすれ、アジアは欧米を支配したいとは望んでいない。アジア諸国が地域レベル、グローバルレベルの課題への対応能力を強めつつあることを欧米世界は歓迎し、受け入れるべきだろう。

北京オリンピックと政治
―― 中国は世界の懸念に耳を傾けていることを示せ

2008年5月号

ミット・ロムニー 前マサチューセッツ州知事

中国は、社会マナーキャンペーンを実施するなど、世界からよいイメージを持ってもらおうと、多くのことを試みてきたが、ダルフール紛争が起きているスーダンから大量の石油を輸入したり、チベットで騒乱を弾圧したりしたことが、これほど世界の反中国感情を掻き立てることになるとは考えていなかったようだ。
スーダンとチベットが非常に微妙で、重要な問題であること、人道性に関わる問題であることをいまや理解していると中国はアピールすべきだ。世界の意見に耳をかたむけ、状況の改善に努めていくことを示すためのシンボリックな行動をとる必要がある。
オリンピックとはホスト国の問題を問うことが目的ではない。世界の優れた運動選手が平和の祭典のために集まり、各国が競い合いつつも、協調できることを、スポーツを通じて広く世界の人々に示すことにある。

チャベス革命の虚構
――無謀な理想主義者の挫折

2008年5月号

フランシスコ・ロドリゲス/元ベネズエラ国民議会チーフエコノミスト

「貧困層に優しいチャベス」という仮説は、事実からかけ離れている。石油高騰からの経済ブームの恩恵を貧困層に再分配するという点で、チャベス政権が過去のベネズエラの政権と異なる措置をとってきたことを示す証拠は、驚くほど少ない。実際には、「チャベスの経済モデル」に画期的なところは何もない。多くのラテンアメリカ諸国が1970年代から1980年代にかけて経験したのと同じ、破滅的な道のりをたどっているだけだ。チャベス政権がその貧困対策の偽りの「成果」をうまくアピールできた最大の理由は、おそらく先進国の知識人や政治家が、ラテンアメリカの開発問題は、金持ちで特権的なエリート層による貧しい大衆の搾取にあるというストーリーを安易に信じ込んでいたためだ。19世紀ならともかく、この見方を現状判断の枠組みにするのは間違っている。

なぜ民族は国家を欲しがるか
――歴史を規定しつづけるエスノナショナリズムの力

2008年4月号

ジェリー・Z・ミューラー 米カトリック大学歴史学教授

「(いまや世界各国で)都市化が進み、識字率が上昇し、政治的に民族集団を動員することも容易になっている。こうした環境下で、民族集団間に出生率や経済成長の格差が存在し、これに新たな移民の流れが加われば、今後も、国の構造や国境線がエスノナショナリズムによって揺るがされることになる。……エスノナショナリズムは、近代国家の形成プロセスが表へと引きずり出す人間の感情と精神にかかわる本質であり、連帯と敵意の源である。形は変わるとしても、今後長い世代にわたってエスノナショナリズムがなくなることはあり得ないし、これに直接的に向き合わない限り、秩序の安定を導き出すことはできない」

アメリカはアジアの台頭にうまく対応できるのか
――問題をつくりだしているのは欧米世界ではないか

2008年4月号

スピーカー
キショール・マブバニ/国立シンガポール大学公共政策大学院長
司会
エレン・L・フロースト/ピーターソン国際経済研究所客員研究員

いまや誰もがアジアをはっきりとしたモデルとみなしている。そしてアジアにおける新しいストーリーとは、アジアが一つにまとまりつつあることだ。人の自由な流れがアジアでは起きている。……新しいアジアの形成は、世界にとって大きな貢献となる。その理由は、これが、安定した世界秩序に利益を見いだし、グローバル秩序の混乱を望まず、西洋と協調したいと望む責任ある利害共有者を大幅に増やしていることを意味するからだ。……若いイスラム教徒たちにとっては、「西洋を模範とする道を歩むか、それともオサマ・ビンラディンに従うか」しか道はなかったが、いまでは、「自分たちも中国やインドに続こう」と考えだしている。

オバマ、クリントン、マケインの 外交顧問が語る 「我が候補が大統領に選ばれれば……」

2008年3月号

スピーカー
スーザン・E・ライス バラク・オバマ上院議員(民主党)顧問
マーラ・ラドマン ヒラリー・クリントン上院議員(民主党)顧問
ランディ・シューヌマン ジョン・マケイン上院議員(共和党)顧問
司会
ジム・ホグランド ワシントンポスト紙編集局次長

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