中国発、環境汚染の衝撃
2014年3月号
中国の環境危機は、この国の急速な工業化が引き起こした切実な問題の一つだ。中国経済はこの10年というもの、年平均で約10%のGDP成長を遂げたが、一方で環境と公衆衛生を犠牲にしてしまった。いまや世界の温室効果ガス排出量の3分の1は中国によるものだし、世界でもっとも汚染された都市トップ20の16は中国に存在する。中国の大都市500市のなかで、WHO(世界保健機構)の大気基準を満たしている都市は1%に満たないと言われる。大気汚染のせいで、北部に暮らす人々の平均余命は5・5年短くなり、深刻な水質汚染と水不足によって人々の健康が蝕まれ、土壌の劣化、砂漠化も進んでいる。しかも、世界銀行によると、中国の環境汚染は、国民総所得(GNI)の約9%に相当するコストを経済に強いている。汚染は経済成長を脅かしているだけではない。市民たちは、環境政策の改善に向けた政府の対応が緩慢なために不満を募らせ、社会は不安定化しつつある。環境汚染は、中国の国際的地位を傷つけ、社会の安定、政治的安定さえも脅かしつつある。
