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環境とエネルギーに関する論文

米外交問題評議会タスクフォース・リポート
地球環境に配慮した需要管理型エネルギー政策を

2001年10月号

エドワード・L・モース 米外交問題評議会・エネルギー政策タスクフォース議長  エイミー・M・ジャッフェ  同ディレクター

世界はエネルギー新時代に突入している。余剰エネルギーをいかに管理して売り払うかに腐心した時代は過ぎ去り、いまや増大するエネルギー需要を、地球環境保護策とのバランスに考慮しつつ満たしていかなければならない。この条件を満たすような資源・インフラ・技術開発に必要な投資をいかに取りまとめるかが課題なのだ。このリポートは、下院でエネルギー法案が通過し、上院での法案審議を控えた二〇〇一年九月上旬に発表されたエネルギーリポート(Strategic Energy Policy Update)の要約・抜粋で、二二八ページに掲載されている「二十一世紀の戦略的エネルギー政策の課題」のアップデート版である。全文はhttp://63.236.1.240/Public/publications/highlights/energy.htmlからアクセスできる。

米外交問題評議会タスクファース・リポート
二十一世紀の戦略的エネルギー政策の課題

2001年10月号

エドワード・L・モース 米外交問題評議会・エネルギー政策タスクフォース議長  エイミー・M・ジャッフェ 同ディレクター

以下は二〇〇一年四月に、米外交問題評議会とライス大学付属ジェームズ・べーカー公共政策研究所が発表したエネルギー政策に関するタスクフォース・リポートからの抜粋(英語の全文http//www.cfr.org/Public/publications/taskforce.htmlからアクセスできる)。同評議会のタスクフォース・リポート発表からほぼ一カ月後に、ディック・チェイニー副大統領が議長を務めたブッシュ政権のタスクフォースが「国家エネルギー政策」を発表した。

いまや国際政治を突き動かしているのは経済競争であり、当然、重要な経済資産や資源へのアクセスをめぐる競争も激化している。さらにやっかいなのは、重要な資源の多くが、ライバルたちが競い合っている地域、あるいは恒常的に不安定な地域に存在することだ。世界の資源動向とそれに関連する政治・地政学的現象は、政策決定者が世界の大枠での安全保障問題の今後を検証する際の優れた枠組みとなるだろう。

アメリカだけでなく、ヨーロッパも、京都議定書に盛り込まれた削減目標を全うできないだろう。各国が京都議定書を順守できるはずはなく、当然、議定書はすでに死滅しているも同然というのが揺るぎない事実だ。京都合意に代わる多国間対応枠組みを再構築する必要があるが、アメリカはその前に、排出規制に向けた本格的な政策を国内で導入すべきである。

世界の森林を守るには

2001年1月号

デビッド・G・ビクター
外交問題評議会シニア・フェロー
ジェシー・H・アズベル
ロックフェラー大学

古代文明の時代以来、人間は森林を伐採して生活してきたが、いまや世界の人口に食物を供給し、木材やパルプを供給するのにかつてのように自然の森林資源を浪費する必要はない。農業の生産性を高めることで農地を縮小し、人工林の生産性を高めることで、森林の面積を大幅に増大させるとともに、乱伐されている森林の面積を減らしていく道が存在するからだ。そのために行動を起こすべきは今で、G8を枠組みにして、新たな森林保護のための国際協調枠組みをつくるべきである。

新エネルギー資源の誕生

1999年3月号

リチャード・G・ルガー 米上院議員  ジェームス・ウールジー 元CIA長官

いずれは枯渇する石油資源、とくに中東石油への依存は、安全保障、環境、経済のどの側面でみても好ましくない。幸いにも、遺伝子工学の進歩、そして生成技術の発展によって、これまでの穀物エタノールから、遺伝子工学を駆使したバイオマス・エタノールへのシフトが起きつつあり、いずれ石油への依存から離脱するのも夢ではない。「エネルギー熱量は若干低いとはいえ、オクタン価でみれば、バイオマス・エタノールはガソリンをはるかに上回り、より高い燃焼効率をも持つ。さらに、温室効果ガスの排出を大きく削減でき、空気の質も改善できる」
この「科学的ブレークスルー」を放置して、しだいに先細りとなりつつある中東の石油資源への依存を続けるのは、経済,環境,国際安全保障のいずれの面でも賢明ではない。環境に優しく、価格的にも問題のない、バイオマス・エタノール実用化の時代がすぐそこまで来ており,その実用化へ向けて全力を注ぎ込むべきである。

京都合意は間違っていない

1998年8月号

スチュアート・アイゼンシュタット 米国務省次官

「国際的に一律な炭素税の導入に向けた合意形成のほうが、排出削減目標を設定するよりも簡単だろう」とみなすクーパーの考えは、政治的に現実離れした見方と言わざるを得ない。

真の温暖化防止には炭素税の導入しかない

1998年8月号

リチャード・N・クーパー ハーバード大学経済学教授

地球温暖化という遠大な問題を、政府間の条約だけで防止しようとする試みには基本的に無理がある。条約は国境を超えた大まかな「責任分担」の手立てと、目的の達成に向けた国際的規律を与えるにすぎない。数億単位の世界市民がライフスタイルを根本的に変えない限り、変化は起きないはずだ。行動を起こさないわけにはいかないが、それでも気候の変化が人間にどのような影響を与えるかについての明確な科学的根拠がない状態で、世界規模での排出削減目標を国ごとに割り振る、京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)での合意は、その実現を不可能とするほどに多くの議論を呼ぶ可能性が高く、客観性、公正さだけでなく、現実性に欠ける。温暖化防止という目的に関して国際的な合意があるのであれば、それを実現する互恵的で普遍的な「手段」を各国が共有することこそ大切であり、国際社会は化石燃料の使用に対するほぼ一律の炭素税課税のような、互いに合意できる行動を基盤にこの問題に取り組んでいくべきではないか。「税金は社会的に有用な活動よりも、有害な活動に課したほうが有益である」という真理のなかに問題の解決策があるはずだ。

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