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に関する論文

イラクでの選挙と中東の再編

2005年1月号

スティーブ・クック 米外交問題評議会次世代フ ェ ロー

シーア派は人口の多さからみても自分たちが政治権力を握って当然だと考えているし、クルド人は独立を、そしてスンニ派はシーア派の思い通りにされてはたまらないと考えている。さらに、イラクでシーア派が実権を握るようになれば、イラクを越えて湾岸地域の政治再編に大きな衝撃を与えるだろう。

中国をめぐる米欧対立の再燃か?

2005年1月号

ウォルター・ラッセル・ミード  米外交問題評議会シニア・フ ェ ロー

中東問題に次いで、中国との関係をいかに管理していくかがアメリカのグローバルなアジェンダの一つであると指摘するウォルター・ラッセル・ミード米外交問題評議会シニア・フェローは、独仏が対中武器禁輸措置の解除を模索しているのは、ヨーロッパがキャッシュ欲しさに、アメリカの死活的利益を脅かすような行動をとろうとしていることを意味すると批判し、このような状態にある米欧関係をどの程度パートナーシップと呼べるのか疑問に思うと語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文英文はwww.cfr.orgからアクセスできる。

大国化する中国にどう向き合うか

2005年1月号

エリザベス・エコノミー  米外交問題評議会シニア・フェロー

もはや国際社会に関与していくのにアメリカの助けを必要としないどころか、アメリカの代替策となり得る新しい理念と影響力の担い手になる可能性のある中国に、ブッシュ大統領は直面していくことになる。・・・中国を単に米中の二国間関係の枠組みだけでとらえるのではなく、ワシントンは広範で一貫性のあるアジア政策を形成し、その重要な要素の一つとして中国をとらえるようにしなければならない。

アジアをとらえ直す

2005年1月号

フランシス・フクヤマ ジョンズ・ホプキンス大学ポール・ニッツスクール教授

アジアのパワー・バランスは各国のナショナリズム感情とライバル意識を高める方向へと変化しており、韓国、日本、中国の間で誤解や対立が生じる危険は今後ますます高くなっていく。中国と韓国の政府が日本の再軍備の意味合いを心配し、日本と中国の指導者たちが統一朝鮮の意図を心配するのなら、そこに多国間フォーラムがあれば不安を低下させ、先の見通しを立てられるようになる。六者協議を基盤とする五カ国フォーラムを形成することこそ、アジアに新しい安全保障構造を構築する第一歩となる。

「北朝鮮によるウラン濃縮」というアメリカの疑惑

2005年1月号

セリグ・ハリソン /米国際政策センター(CIP)アジア研究ディレクター

ワシントンは、日韓をアメリカの路線に同調させるという政治的思惑から、確度の高い裏付けもなく北朝鮮による兵器級ウランの濃縮計画を事実として描き出し、枠組み合意を破綻させ、その結果、北朝鮮の使用済み核燃料の再処理に道を開き、プルトニウムの備蓄の増大というもっと大きな脅威をつくり出してしまった。ウラン濃縮問題ではなく、プルトニウム問題を最優先に北朝鮮問題に取り組む以外にもはや活路はない。

第二期ブッシュ政権の大戦略を検証する
――「現状」の破壊から新秩序の構築へ

2005年1月号

ジョン・ルイス・ギャディス/エール大学歴史学教授

ブッシュ大統領は、9・11によってアメリカが受けた衝撃を、「衝撃と恐怖」作戦を通じて、テロ実行犯がやってきた世界だけでなく、国際システム全体に与えて認識させ、「現状を根底から揺るがす必要がある」と考えたようだ。だが、その後の秩序が自律的に再編されていくと考えたのが大きな間違いだった。鉄血宰相と恐れられたビスマルクが、旧秩序を破壊した後に、誠実な仲介者としてヨーロッパ秩序をつくり上げていったように、ブッシュは自らの大戦略について国際社会を「説得」し、テロ時代における国民国家システムを他の諸国とともに守っていかなければならない。

米外交問題評議会インタビュー
アラファトとアッバス

2004年12月号

ヘンリー・シーグマン/米外交問題評議会シニア・フェロー

穏健派のマフムード・アッバスがパレスチナの新指導層の中核を担い、これまでアラファトとの交渉を拒絶してきたアメリカとイスラエルが新状況を前に考えを改めれば、中東和平交渉再開への道も開けてくる、とヘンリー・シーグマン(米外交問題評議会シニア・フェロー)は語る。アラファトの妨害だけではなく、イスラエルの非協力的な態度が、かつて自治政府首相としてのアッバスを追い込んだと分析するシーグマンは、今後のアッバスの成功はシャロン・イスラエル首相の態度に左右され、シャロンの路線はアメリカがイスラエルにどう働きかけるかに左右されると分析する。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

国連改革報告書とアメリカの利益

2004年12月号

ブレント・スコークロフト/スコークロフト・グループ会長

国連改革に関するハイレベル委員会の報告書は「テロリズムの定義を試み、・・・大量破壊兵器(WMD)拡散問題を取り上げ、それを阻止するために何が必要かについても分析している」。ハイレベル委員会のメンバーを務めたブレント・スコークロフトは、同報告書は「自己防衛と先制攻撃に関してもこれまでよりも幅を持たせた解釈を示しており、アメリカの国益に合致するような提言が多くなされている」と分析し、国連とアメリカの共生、アメリカとヨーロッパの協調を促した。また、国家安全保障問題担当大統領補佐官として、コンドリーザ・ライスを最初に政府ポストに登用したスコークロフトは、国務長官の任務は政策立案だけでなく、「相手国の市民に耳を傾けてもらい、われわれの立場への理解と支持を引き出す」ことにあり、大統領補佐官から国務長官への転身はそう簡単でない、と語った。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティングエディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

国連改革提言の本当の意味
――安保理拡大は争点ではない

2004年12月号

リー・フェインシュタイン/米外交問題評議会研究副部長

「多くの人は、今回のハイレベル委員会の提言を国連改革に関するリポートだったと思っているが、実際には、そうではない。冷戦終結と9・11を経た世界、さらには、イラク戦争をめぐる安全保障理事会の分裂という事態を受けての総括、提言と考えたほうがよい」。リー・フェインシュタイン(米外交問題評議会研究副部長)は「安保理をそのまま拡大させることなど、最初から実現しないことがわかりきった課題にすぎない」と指摘し、むしろ、今回の提言とブッシュ政権の国家安全保障戦略が収斂しつつあることに注目する。聞き手はバーナード・ガーズマン

欧州はアメリカのパートナーかライバルか
――欧州憲法条約は何を意味するか

2004年12月号

ジェフリー・シンバロ/ウェイル・ゴットシャル&マンジェス法律事務所アソシエート

欧州憲法条約は、北大西洋条約機構(NATO)が欧州連合(EU)の安全保障にとって最終的には必要ではなくなると想定しており、仏独が主導するEUが、欧州からのNATO外し、アメリカ外しをねらっていることは明らかだ。統合ヨーロッパはアメリカのパワーを補完するのではなく、アメリカに対するバランスをとろうとしている。ワシントンは、EU内に新しいパートナーを見いだし、アメリカへの対抗軸を担おうとするEUへの牽制策をとるべきだろう。

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