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論争 北朝鮮ウラン濃縮疑惑の真相

ロバート・ガルーチ 前国務省政策企画局長
ミッチェル・リース 元国務次官補

The Truth About North Korea's Weapons Program

Robert L. Gallucci クリントン政権の国務次官補を経て、ジョージタウン大学外交大学院長。2000年9月から05年2月まで、CIAの国家安全保障諮問会議のメンバーを務めた。
Mitchell B. Reiss  ウィリアム&メリーカレッジ国際関係担当副学長。2003年7月から05年2月まで米国務省の政策企画局長を務めた。
Richard L. Garwin 著名な科学者で、米外交問題評議会の科学技術研究担当ディレクターを1994年まで務めた。専門はミサイル防衛、コミュニケーションテクノロジーなど。現在は、トマス・ワトソン研究所の名誉IBMフェロー。
Selig S. Harrison ワシントン・ポスト紙、センチュリー財団を経て、現在は米国際政策センター・アジア計画部長。朝鮮半島問題の専門家。

2005年3月号掲載論文

「ハリソンは、良い逸脱行為と悪い逸脱行為を区別しようと試みている。だが、ウラン濃縮問題は六者協議の中核的課題だし、平壌のこれまでの悪質な行動からみても、北朝鮮の核問題を完全かつ後戻りできぬ形で解体するには、ウラン濃縮問題も間違いなく解決しなければならない」。(リース&ガルーチ)
「リースとガルーチは、二〇〇三年四月に北朝鮮が高強度アルミ管を輸入しようと試みたことを引き合いに出し、それをもって、現実に北朝鮮がアルミ管を入手したかのような議論をしている。私も論文で、同じ事例を引いたが、・・・北朝鮮が実際にアルミ管を入手したかどうかはむしろ疑問だと考えている」。(ハリソン)
朝鮮半島問題の専門家セリグ・ハリソンは「『北朝鮮によるウラン濃縮』というアメリカの疑惑」(フォーリン・アフェアーズ日本語版および日本語インターネット版二〇〇五年一月号)で、ブッシュ政権は北朝鮮がウラン濃縮計画を進めていることを示す断片情報を基に平壌が高濃縮ウランを生産していると断定したが、実際には核不拡散条約(NPT)で核の平和利用として生産が認められている低濃縮ウランの開発を試みていたにすぎないのではないかと疑問を表明し、彼の疑問を支える分析を示した。これに対して、今月号では、二〇〇五年二月まで米政府高官として機密情報に接する立場にあったロバート・ガルーチ、ミッチェル・リースが北朝鮮の兵器級ウラン濃縮計画の「証拠はある」と反論し、科学者のリチャード・ガーウィンもハリソンの分析手法の問題を指摘している。

  • ウラン濃縮の証拠はある
  • ウラン濃縮の技術的前提を正す
  • 批判に答える

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