イランショックとエネルギー安全保障
―― 国際市場とエネルギー自給の間
2026年5月号
ホルムズ海峡危機を前に、多くの国が、統合されたエネルギー市場を脆弱性のルーツとみなし、エネルギー自給を模索するようになるだろう。協調的な世界秩序がほころぶにつれて、相互依存よりも、地政学が優先され、エネルギー不安が高まっているからだ。長期的には、各国が国内のエネルギー市場を保護しようとする試みが、世界のエネルギーシステムを再編していくのかもしれない。だが、エネルギー自給を高めるために、国境の内側に後退することでエネルギー安全保障を強化できると考えるのは幻想に過ぎない。むしろ、破綻することなく、ショックを吸収できるだけの強靭なシステムを構築することを目標にしなければならない。
