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ロボットが雇用を揺るがす
―― デジタル経済と新社会保障政策

ニコラ・コリン ザ・ファミリー 共同設立者兼パートナー
ブルーノ・パリア ヨーロッパ研究センターリサーチディレクター

The Next Safety Net

Nicolas Colin
フランス財務省を経て、ロンドンとパリに拠点をもつ投資企業ザ・ファミリーの共同設立者兼パートナー。
Bruno Palier ヨーロッパ研究センターのリサーチディレクター。

2015年7月号 掲載論文

ロボットの台頭に象徴されるデジタル経済のなかで、「すてきな仕事」をしている人は今後もうまくやっていく。だが、製造、小売り、輸送などの部門で「うんざりする仕事」をしている人、決まり切ったオフィスワークをしている人は、賃金の引き下げ、短期契約、不安定な雇用、そして失業という事態に直面し、経済格差が拡大する。ルーティン化された雇用はいずれ消滅し、むしろ、一時的なプロジェクトへの人間とロボットのフォーマル、インフォーマルな協力が規範になっていく。技術的進化が経済を作り替えていく以上、福祉国家システムも新しい現実に即したものへと見直していかなければならない。最大の課題は、多くの人が仕事を頻繁に変えなければならなくなり、次の仕事を見つけるまで失業してしまう事態、つまり、「とぎれとぎれの雇用」しか得られないという状況にどう対処していくかだ。

  • デジタル経済と社会保障 <一部公開>
  • 新しいビジネスモデル
  • デジタル経済に即した社会保障を
  • 21世紀型社会保障

<デジタル経済と社会保障>

先進国経済のオートメーション化とデジタル化が進むにつれて、あらゆる労働者がその余波にさらされるようになる。他の人々以上に大きな余波を受ける人々も出てくる。エコノミストのマーチン・グースとアラン・マニングが言う「すてきな仕事」をしている人は、今後もうまくやっていくだろう。ロボットやさまざまなデジタルアプリケーションを開発・管理する人々、金融のような付加価値の高いサービスセクターで働く人は今後もうまくやっていくはずだ。

一方、製造、小売り、輸送などの部門で「うんざりする仕事」をしている人、あるいは決まり切ったオフィスワークをしている人は、賃金の引き下げ、短期契約や不安定な雇用、そして失業といった厄介な事態に直面する。経済格差は恐らく拡大し、さまざま社会保障支出を求める声が高まるはずだ。しかし、労働力規模の低下によって歳入が低下し、社会保障予算をカバーする財源は低下している。・・・

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