Focal Points

2023.8.10 Thu

<8月号プレビュー>
プーチン後のロシア、米中経済関係のリアリティ、ワグネル反乱の真の教訓

権威主義体制は、多くの場合、プーチンのような長年の独裁的指導者が去った後も存続する。プーチンが任期中に死亡するか、インサイダーによって排除されても、体制はそのまま存続する可能性が高く、しかも、戦争が続く限り、プーチンの地位はより安定し、前向きな変化は起こりにくくなる。(ケンドール・テイラー、フランツ)

米中経済関係はディカップリングが示唆するような経済関係の断絶ではなく、むしろ、「ディリスキング(リスク排除)」へ向かっている。中国とのあらゆる経済関係を締め付けるのではなく、ワシントンが特定のリスクを低下させようとしていることは、データ上も確認されている。多くの分野では、製造工程の一部が中国から切り離されるとしても、全般的な中国依存の構図は変化しないと考えられる。(ミシック、オルザグ、ブンゼル)

プーチン政権にとってより大きな脅威は、プリゴジンの反乱そのものではなく、反乱に対する軍と治安当局の反応だったかもしれない。ロシア連邦保安庁(FSB)は、ワグネル内に情報提供者までもっていた。だがFSBは、反乱が始まる前にそれを阻止することもせず、プリゴジンの計画についてモスクワに警告することもなかったようだ。(ソルダトフ、ボロガン)

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