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2021.6.16. Wed

グローバル経済のニューノーマル

持続的な生産性の優位は国がアクセスできるデータの量に左右され始めている。自律走行車であれ、人工知能であれ、膨大な量のデータがイノベーションを左右するからだ。一方、データを管理する国際的な枠組みがなければ、市民のプライバシーが脅かされる。データが国境を越えて移動することを認めるのなら、政府は、どうやって自国民のプライバシーを保護できるのか。データはイノベーションを推進し、経済パワーを生み出し、国家安全保障にも関わってくる。アメリカを含む民主諸国は、テクノ権威主義モデルに対抗するためにも、データの潜在能力を引き出せる新しい国際枠組みを構築する必要がある。(スローター、マコーミック)

AIは良くもあり、悪くもある。賢いが、鈍い部分もある。文明の救世主であるとともに、世界の破壊者でもある。実際、どのようにして決断を導き出しているか分からないし、それを人間が解明することもできない。イノベーションの進化ペースをどの程度「警戒」し、(機械のメカニズムに関する)説明の「正確さ」をどこまで求め、(個人データを利用することによる)パフォーマンス強化と「プライバシー」のバランスをどこに求めるか。社会がこれらのバランスをどうみなすかで、人間がAIとどのような関係を築いていくかが左右される。(クキエル)

グローバル金融危機後の2009年1月におけるアメリカの債務残高が国内総生産(GDP)の50%未満だったのに対して、パンデミックを経たバイデンの大統領就任時には債務がGDPの100%におそらく達していることを考慮すれば、この見方は間違っているようにも思えるかもしれない。だが、かつてと現在では金利に違いがある。現在の公的債務がかつて以上に大きいとしても、キャリーコスト(持ち越し費用)は少なくて済む。バイデンがキャンペーンで約束してきた政策を実施すれば、回復は加速する。景気サイクルだけでなく、ワクチンも追い風を作り出すと期待したい。(ファーマン)

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