Focal Points

2021.6.10. Thu

<6月号本日発売>
データ量が経済とイノベーションを左右する 、パンデミック後の世界経済、インド変異株の悪夢

持続的な生産性の優位は国がアクセスできるデータの量に左右され始めている。自律走行車であれ、人工知能であれ、膨大な量のデータがイノベーションを左右するからだ。専門家が言うように「大量のデータにアクセスできる優秀な科学者は、一定量のデータにしかアクセスできないスーパーサイエンティストに勝る」。一方、データを管理する国際的な枠組みがなければ、市民のプライバシーが脅かされる。データが国境を越えて移動することを認めるのなら、政府は、どうやって自国民のプライバシーを保護できるのか。データはイノベーションを推進し、経済パワーを生み出し、国家安全保障にも関わってくる。(スローター、マコーミック)

新興国経済が今後の世界経済の成長を牽引すると考える理由は数多くある。先進国政府が、(パンデミックによる)経済の痛みを和らげようと、大規模な財政出動に資金を投入しつつも、その帰結を無視するか、説明をはぐらかしてきたのに対して、途上国は生産性向上に向けた改革を実施せざるを得ない状況に追い込まれた。経済成長をコモディティ輸出に依存している途上国にとっては、資源価格がすでに上昇に転じていることも良い知らせだろう。今後10年間で新興国の平均成長率が1%でも上昇すれば、現在は1日2ドル未満の生活を余儀なくされている人々の2億人が貧困ライン以下の生活から脱出することになる。(シャルマ)

世界における新規コロナ感染の三つに一つがいまやインドで起きている。だが、こうなる必然性はなかった。狼狽、間違い、奢りを通じて黙示録的世界を招き入れたのはモディ政権に他ならない。「国内のコロナを抑え込み、いまや世界のパンデミックを終わらせるのを助ける立場にある」と対外的に表明した彼の強気が裏目に出た。しかも、二つの変異株の特徴を有するB・1・617変異株が定着しつつあることを認識しつつも、この新しい敵を理解しようと政府が力を入れることはなかった。・・・(ガーロット)

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