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2020.9.14.Mon

外交的自制をかなぐり捨てた中国
―― 香港の次は台湾か

北京は事実上すべての外交領域で前例のない外交攻勢に出ている。中国は、「外交に熱心でない米政権が残したパワーの空白」を利用しているだけかもしれない。しかし、より永続的な外交政策上のシフトが進行中であると信じる理由がある。世界は、中国の自信に満ちた外交政策がどのようなものか、おそらく、その第1幕を目にしつつある。北京はいまや自国がどう受け止められるか、そのイメージのことをかつてのようには気に掛けていない。おそらく、力の路線をとることで、ソフトパワーの一部を失うとしても、より多くを得られると計算している。(キャンベル 、フーパー)

北京が「アジアの将来における・・・自国の立ち位置を定めようとしているときに」、ワシントンは、香港問題を現地情勢だけでとらえる狭いゲームに自らを押し込んではならない。習近平がリスクテイカーで、紛争も辞さず、領有権の主張にこだわりをもっていることは明らかだし、ワシントンは、台湾への余波を考慮した上で、十分に考え抜いた香港問題への対策をとる必要がある。ワシントンは外交的圧力を通じて、そこに北京に反対する国際的連帯が存在することを知らせつつも、過度に危機意識を植え付けるのを避け、北京がアメリカとその同盟諸国の分断作戦に出ないように配慮する必要もある。(グリーン、メデイロス )

アメリカはアジア地域に死活的に重要な利害を有する「レジデントパワー」だが、中国はわれわれの目の前に位置する大国だ。当然、われわれアジア諸国は、米中のいずれか一つを選ぶという選択を迫られることは望んでいない。ワシントンが中国の台頭を封じ込めようとするか、北京がアジアにおける排他的な勢力圏を構築しようとすれば、米中は何十年も続く対立の道を歩み始め、待望久しい「アジアの世紀」の実現は脅かされる。(シェンロン)

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