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2020.3.11 Wed

北朝鮮とCOVID19
―― ウイルスと経済と体制危機

コロナウイルスの侵入を警戒する北朝鮮は、国境線を封鎖し、あらゆるツーリズムを停止し、外国人のすべてに行動制限を課している。多くの公共サイトを閉鎖し、あらゆる学校を1カ月にわたって閉鎖している。この場合、ウイルスの脅威は抑え込めても、経済的に追い込まれ、平壌の体制基盤が損なわれていくかもしれない。一方、北朝鮮にウイルスが入り込めば、感染は急速な広がりをみせるだろう。この国にはパンデミックと闘うインフラはなく、病院システムもほとんど機能しておらず、医薬品も不足している。(テリー)

世界がCOVID19に対処していく上で、中国がどのような経験をしたかに注意深く配慮する必要がある。認識すべきは、アウトブレイクの中核となった武漢を含む湖北省の医療システムが適切に機能できなくなったことだ。さらに、感染拡大を抑え込むために中国がとった大胆な措置を自国もとるべきかどうか、検討する諸国も出てくるはずだ。中国政府のやり方をそのまま取り入れられる国は他になさそうだし、そうすべきでもない。市民的自由や市民の権利を無視する政府の姿勢は、新型ウイルスの(発生に迅速に対応せず)アウトブレイクを引き起こした政策や行動と表裏一体をなしているのだから。・・・(ボリキー 、グプタ )

ウイルスが人とモノの流れを抑え込んでいる状態が長期化すれば、危機の余波は公衆衛生部門を超えて経済に及ぶだろう。すでに、ウォールストリートの銀行の多くが、コロナウイルスの余波を考慮して、2020年前半の原油価格予測を下方修正している。中国の石油需要は通常よりも40%少なくなり、一般消費者の需要はさらに大きな落ち込みをみせると予測されている。中国人のツーリズムも大きく落ち込み、大きく経済を冷え込ませると考えられる。天然ガスの価格も低下して、アジア市場でのLNG価格はこれまででもっとも低い価格になっている。(ジャッフェ)

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