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2020.12.16. Wed

ワクチンへの過大な期待をやめよ
―― ウイルスへの迅速な勝利が期待できない理由

将来のアウトブレイクリスクを排除するには、世界人口の70%がワクチンの接種あるいは感染と回復を通じて、コロナウイルスの免疫を得る必要がある。COVID19に感染したのは世界人口の推定10%と推定されるだけに、グローバル規模のワクチン接種でリスクを抑え込むのは非常に難しい。途上国へのワクチン供給に遅れが生じるのも、ワクチン接種をいやがる人が出てくるのも避けられない。効果的なワクチン供給で、コロナ危機が終わるわけではない。迅速な勝利がもたらされることはなく、ウイルスとの長期に及ぶデタントの時代の始まりになる可能性が高い。(ミショー 、ケイツ)

都市部で猛威を振るったコロナウイルスは、いまや多くの農村コミュニティを襲っている。ウイルスがこれらの地域に到達するには時間がかかったが、 いまやこれまでの分を取り戻すかのように感染の拡大を引き起こしている。全米で感染ケースが増えているが、一人当たりの感染率がもっとも高いのは農村部や小さな町であることが多い。地方の病院は都市部の病院とは違って小さく、設備も十分ではない。実際、都市がウイルス感染の拡大を制御できるようになっても、農村部では2021年あるいはもっと長期的にウイルスは感染を拡大し続けるかもしれない。(スミス)

世界保健機関(WHO)は、途上国の重症化リスクがある人々に20億回分のワクチンを提供するイニシアティブを促進しているが、中国とは違って、アメリカは構想への参加を拒否している。実際、世界人口の半数以上が暮らし、国がワクチン接種費用を負担するのが財政的に難しいアジアやアフリカそして中東の新興国では、中国メーカーのワクチンが圧倒的なシェアを握りそうだ。2021年、世界の注目を「健康シルクロード」に向けることで、中国は世界の技術大国かつ公衆衛生の擁護者として自らを「リブランド」しようとしている。(フライマン、ステビング)

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