Focal Points

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2019.4.30 Tue

今回ばかりは違う
―― 米外交の復活はあり得ない

米外交のエリートたちは、感情的で幼児並みの知性しか示さない人物が大統領に就任する事態への準備はできていなかった。アメリカというジェンガータワーはまだ崩れずに建っているが、ブロックをいくつか抜けば、ぐらつきは肉眼でも分かるようになる。次期大統領が表面的取り繕いを超えた抜本的修復策をとるべき理由はここにある。しかし、今回ばかりは、本当に終わりかもしれない。(ドレズナー)

保護主義、ナショナリズム、ポピュリズムがさらに勢いをもち、民主主義は廃れていく。大国間のライバル関係も激化し、グローバルな課題に向けた国際協調も不可能になっていく。この描写に違和感を覚えないとすれば、現在の世界がこの方向に向かっているためだろう。・・・世界が壊滅的な事態に遭遇するシナリオが不可避でないことはグッドニュースだ。バッドニュースは、そうならないという確証が存在しないことだ。(ハース)

先の大戦期及びその直後に成人した世代は、アメリカが世界をリードしなければ、いかに忌まわしい世界が出現するかを本能的に理解していた。しかし、この世代の多くが亡くなり、具体的に秩序を形作った子どもの世代も少なくなってきている。トランプが大統領の座を退いても、「アメリカのリーダーシップなき世界」がどのような末路を辿るかを知る人々が支えたかつてのコンセンサスへアメリカが回帰していくことはない。(コーエン)

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