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2019.3.6. Wed

失速する経済と国防支出の増大
―― 中国で何が起きているのか

習近平思想は一見意味のないスローガンにしか思えないかもしれない。だが、よく調べてみると、彼の言う「中華民族の偉大な復興」のための統合計画が浮かび上がってくる。習近平思想とは、「共産党を中心とする中国の民族国家形成に向けたプロジェクト」なのだ。これは、軍事力の増強を後ろ盾に中華民族の偉大なる復興を目指していくという計画に他ならない。(バポネス)

もっともリスクが高いのは地方政府そして国有企業が抱え込んでいる膨大な債務だ。不動産市場が停滞するにつれて、地方政府がデフォルトを避けるために土地をツールとして債務不履行を先送りすることもできなくなる。中国が債務問題を克服できなければ、今後の道のりは2008年当時以上に険しいものになり、中国経済に壊滅的な打撃を与える危機が起きるのは避けられなくなる。(チェン)

中国に対抗できるポテンシャルをもつ唯一の国・日本は、重要な選択に直面している。日本人は軍備増強には懐疑的で、むしろ、経済の停滞と高齢社会のコストを懸念している。だが、中国が支配するアジアにおける自分たちの生活がどのようなものになるかについて日本人はよく考えるべきだろう。北京は日米関係を弱体化させ、中国の利益を促進するために、さらに軍事的・経済的強制力をとり、日本の政治に干渉してくるかもしれない。(リンド)

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