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2018.9.6 Thu

トランプ外交の経済的代価
―― 投資、貿易、安全保障

法人減税、他の地域よりも力強い経済成長、そしてトランプ政権が米企業の外国への投資を牽制する公式・非公式のハードルを作り出しているにもかかわらず、米多国籍企業による外国投資が2018年後半に増えていくとすれば、これは、世界経済システムがポストアメリカの時代に向かいつつあることを示す明確なシグナルとみなせる。要するに、米多国籍企業も「他の地域での投資と比べて、対米投資の魅力が小さくなってきていると判断しつつある」とういことだ。(ポーゼン)

ワシントンがこれまでの経済的リーダーシップから離れていけば、世界だけでなく、アメリカも大きなダメージを負うことになる。トランプ政権が全面的な貿易戦争の道に踏み込まない限り、その帰結が直ちに現れることはない。しかし、アメリカが経済秩序から今後も遠ざかったままであれば、経済成長は鈍化し、世界経済の先行きは不透明化する。その結果生じる混乱によって、世界の人々の経済的繁栄は、これまでと比べ、政治略奪や紛争に翻弄されることになるだろう。(ポーゼン)

ごく最近まで米中の経済的つながりは、むしろ、戦略的な不信感がエスカレートするのを抑える効果的なブレーキの役目を果たしてきた。もちろん、中国が関税引き上げによって締め付けられることもなく、経済的つながりのためにさらに投資していれば、アメリカにとってさらに大きな課題が作り出されていたかもしれない。だが、相互依存関係の管理にトランプ政権が苛立ち、現在の路線を続けて経済・貿易領域で中国を遠ざけていく路線は、安全保障領域でさらに厄介な問題を作り出す恐れがある・・・。(ワイン)

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