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2018.8.17 Fri

オートメーション化される世界
―― ユートピアかディストピアか

1995年から2005年まで生産性は大きく向上し、その平均伸び率は3%に達した。だが最近になって大きな変化が起き、生産性の向上ペースは鈍化している。この10年間の伸び率は、それに先立つ10年と比べて鈍化しているし、特に最近の5年間は大きく落ち込んでいる。製造業に限ってみると、最近の5年間の生産性の平均伸び率は0・2%と、ほぼ横ばいをたどっている。(生産性が低下している以上)ここにきてオートメーションが労働市場に与える影響は低下していると考えることができる。つまり、まだロボットが大がかりに人の労働に取って代わる段階にはないということだ。(ミラー、ポーター、シアーホルズ、ルンド)

自律走行車の普及によって勝者と敗者が生まれることになる。勝者となるのは、自律走行車によって時間と金を節約できる数億人の普通のドライバーたちだ。高齢者や障害を抱える人々、特に公共交通機関へのアクセスがない郊外や地方で暮らす高齢者や障害者は、(自由に移動できるようになり)自立性を取り戻せるだろう。一方で、敗者となるのは、失業する恐れのあるプロの運転手たちだ。実際、最初に市場に浸透するのは自律走行のタクシー、トラック、バスであると予想され、10年後までには商用車の半数がドライバーレスになると考えるアナリストもいる。(マスターズ)

モバイルインターネットと「モノのインターネット」が重なり合うと様々な分野で大きなインパクトを与える。その一つが医療分野だろう。緊急治療を要する事態を予防するために遠隔監視システムを利用すれは、高額な入院、苦痛を減らし、早死をなくすことさえ不可能ではない。一方で、これらの新技術がプライバシーや個人の自由を侵害する恐れもある。患者の心拍や血圧のモニターの数値が、喫煙をしていることや制限されている食べ物を食べていることを特定してしまうかもしれない。(マニュイカ、チュイ)

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