Focal Points

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2018.8.15 Wed

論争: 日独は秩序を主導できるか

現在、国際秩序が直面する潜在的に致命的な脅威の一つとしてトランプの存在を指摘するのは間違っていないが、彼がもっとも深刻な脅威ではない。中国の台頭、ロシアの復活、そして世界におけるアメリカのパワーの衰退のほうが、それぞれ、トランプよりもはるかに大きな問題をはらんでいる。しかし、中国人やロシア人やその他の国の人々にアメリカ人の自由思想を受け入れてもらう必要はないし、他国の政治制度を民主体制に変える必要もない。自由主義国家であれ、非自由主義国家であれ、「多様性を受け入れる」世界秩序を維持するだけで十分ではないか。(アリソン)

トランプがリベラルな秩序を損なっている領域もある。しかし、アメリカが後退しても、プロジェクトを支えるために他の諸国が前へと足を踏み出すはずだ。アメリカが離脱した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)も、残された11カ国によって協定が引き継がれている。同様に、パリ協定からアメリカが離脱しても、他の多くの国は野心的な目標の実現に向けて努力し、アメリカの州、都市、企業、個人も独自の努力を続けている。主要なパトロンを失いつつあるかもしれないが、リベラルな秩序を米大統領のリーダーシップだけが支えているわけではない。(デュードニー、アイケンベリー)

国内でもトランプはメディアを攻撃し、憲法と法の支配さえほとんど気に懸けていない。欧米の大衆も、リベラルな国際秩序のことを、豊かでパワフルな特権層のグローバルな活動の場と次第にみなすようになった。すでに権力ポストにある以上、トランプがそのアジェンダに取り組んでいくにつれて、リベラルな民主主義はさらに衰退していく。リベラルな国際秩序を存続させるには、この秩序をいまも支持する世界の指導者と有権者たちが、その試みを強化する必要があり、その多くは、日本の安倍晋三とドイツのアンゲラ・メルケルという、リベラルな戦後秩序を支持する2人の指導者の肩にかかっている。(アイケンベリー)

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