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2018.7.6 Fri

ほころび始めた中国の対外戦略
――  一帯一路と重商主義の挫折?

中国によるインフラ融資が国際的な影響力を確立することが目的だとしても、その効果はほとんどない。現在、中国から多額の融資を受けている債務国の多くと中国との二国間関係はむしろ冷え込んでいる。もっとも極端な例が、中国が巨額の資金を投入しているスリランカだろう。(国にだけでなく)地方政府も債務から抜け出せなくなり、かなりの反動が起きている。パキスタンは例外だが、一帯一路構想に基づく最大規模の融資の受け手である南アジア諸国は、戦略的にインド、日本、アメリカと再び手を組む路線へシフトしつつある。(バタイネ、ベノン、フクヤマ)

アメリカは21世紀に即した新たな貿易・投資ルールをまとめ、前向きなビジョンで国際社会をリードしていかなければならない。時間はかかるとしても、中国の不公正な貿易慣行を止めさせるには、これがもっとも期待できるやり方だろう。まさにこれが、TPPやTTIPの目的だった。これらの協定は、国営企業や政府調達、データのローカライゼーションをはじめとする、中国にまつわる多くの問題について高い水準やルールを設定していたが、トランプはこれらをともに放棄している。(グッドマン、ラトナー)

皮肉にも、(内政不干渉という側面から)主権について多くを語ってきたにも関わらず、習の外交政策の一部は、明らかに相手国の主権を無視している。中国語とその文化を教える外国の孔子学院は中国共産党のプロパガンダを広げることが狙いではないかと疑われ、アメリカその他で問題視されている。また、北京が留学中の学生を中心に、在外中国コミュニティを動員して、香港や台湾問題をめぐる政府の立場を声高に主張させている。(エコノミー)

2018年7月号レビュー

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