Focal Points

Frame China / Shutterstock.com

2018.7.30 Mon

<8月号プレビュー>
中国モデルとは何か
―― 権威主義による繁栄という幻想

独裁制だけで、中国の見事な成長を説明できるわけではない。むしろ、官僚制度の改革を通じて民主的な要因を導入し、地方レベルでの現実に即した柔軟な対応を北京が認めたことで、経済的ダイナミズムが作り出された。トップダウンの命令に依存するのではなく、中国は地方の知識と資源を引き出し、多様性を促進し、自分たちの考えや努力を成功させようとするインセンティブを作り出した。うした特質は民主国家にとっては、おなじみのものだ。中国はこれらを一党支配体制と結合させたに過ぎない。(アン)

中国の経験から、民主主義についてどのような幅広い教訓を引き出せるだろうか。第一に、複数政党制による選挙が必要だという民主化の狭い概念を捨て去る必要がある。民主的特質と恩恵の一部は、中国のケースが示す通り、一党支配の下でも実現できる。民主化はその国にかねて存在する伝統と制度(中国の場合はレーニン主義的な官僚組織)を改革すると、もっともうまく進展させられることを中国の経験は示している。まったく馴染みのない制度を輸入するよりも、すでにあるものをベースにしたほうが政治改革をうまく促進できる。(アン)

習近平の「チャイニーズドリーム」が約束するのは、ボーダーレスなプロレタリアの楽園ではなく、党の支配の下で、全能の中華文明の本来の栄光を取り戻すことだ。こうした固有のナショナリズムと鉄の規律の組み合わせは、トルコからフィリピンにいたるまでの、世界の野心的な権威主義の指導者たちにとって、代表制民主主義に代わる魅力的な選択肢だろう。中国モデルに多くの人々が自身の輝かしい未来を見出している。(フリック)

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