Focal Points

nevodka / Shutterstock.com

2018.6.21 Thu

グローバル金融を蝕むタックスヘイブン
―― 犯罪と格差の象徴を粉砕するには

タックスヘイブンは租税回避を容易にし、法の支配を弱め、組織犯罪の温床を作り出す。(富裕層の資金を増やし)格差をさらに拡大させることで、民衆の民主政治に対する信頼を損ない、ポピュリストの反動を助長する。生産性や起業家精神、そして真の意味での富の創造とはまったく関係のない理由から、中小企業よりも巨大な多国籍企業に有利な環境を提供し、市場経済を蝕んでいく。オフショアシステムで重要な役割を果たすグローバルな銀行には膨大な手数料が転がり込み、これによって「大きすぎてつぶせず、処罰できない」銀行が誕生する。さらに、貧困国の独裁者が国家の資産を略奪し、その資産をどこかに隠すことを助長する。(シャクソン)

フランスのエコノミスト、トマ・ピケティは、富裕層による資産の移動や運用などの見えない世界の仕組みに光をあて、それを揺さぶりたいと考えている。彼は、普通の人々が富の全体像を理解できないのは、それを客観的に理解する術がないからだと考えている。したがって、富というものがいかに重要で、それを誰が保有しているのかを人々が理解できるような、新たな情報を迅速に広めていく必要がある。(ファレル)

当初、オートメーション化によって雇用を失ったのは単純労働者たちだったが、今では、スキルをもつ専門職の人材もコンピュータに雇用を脅かされている。例えば、これまで弁護士の仕事だった法律調査は、いまやコンピュータプログラムで代替できる。人間の専門家の意思決定能力をエミュレートするようにプログラムされた「エキスパートシステム」があれば、医者よりも迅速かつ適切に診断を下すこともできる。教育とジャーナリズム部門も次第にオートメーション化されつつあるし、コンピュータプログラムそのものをコンピュータが書く時代へと近づきつつある。(イングルハート )

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top