Focal Points

2018.5.7 Mon

<5月号プレビュー>
政治的秘密とリークと内部告発、朝鮮半島をめぐる米中の攻防、ほか

あらゆる政府、政党、政治家は秘密をもっている。そして、秘密を守るために嘘をつき、真実をごまかそうとする。程度の差はあるが秘密をもち、嘘でごまかすという行為自体は一般的だ。正当化できる嘘や秘密もあれば、そうでないものもある。従って、市民は、誰かが秘密を暴露して嘘を暴く行為が正当なものであるかどうかを判断する前に、正当な秘密と不正な秘密の違い、正当なごまかしとそうでないごまかしの違いを知る必要がある。そうでなければ、機密情報や文書を公開し、不正行為を内部告発する行為が公益に資するものか、さらには民主的政府の利益になるかを判断できない。(ウォルツァー)

人間は自らの行動が、自分が意図する通りに他者からもみなされると考えがちだが、これは間違っている。深刻なイメージ上の間違いが何を引き起こすかを考慮して、米政府高官は慎重な態度をとるべきだし、特に危機に直面した場合の政策プロセスには慎重でなければならない。米朝関係がさらに悪化し、紛争へと向かっていくタイミングで、彼らはイメージ上の間違いを犯していないかを考える必要がある。これらに対処することでアメリカの政策決定者は、薄っぺらなクレディビリティと有害なイメージ上の間違いが引き起こす不必要な戦争のリスクを低下させることができる。(ジャービス、フーパー)

金正恩を北京に迎えたとしても、北京が北朝鮮の生存を我が事のように心配しているわけではない。両国の「同盟」関係はいまも名目的なままだ。北京の目的は平壌との関係修復ではなく、アメリカの地域的影響力に対抗し、朝鮮半島への中国の影響力を強化することに他ならない。米朝首脳会談について認識すべき重要なポイントは、北京が、戦争、外交のいずれのシナリオになっても、北朝鮮ではなく、中国の利益を確保しようと試みると考えられることだ。(マストロ)

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