Focal Points

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2018.5.3 Thu

<5月号プレビュー>
朝鮮半島危機は何にを問いかけるか
―― 外交から戦争への転びやすい坂道

人間は自らの行動が、自分が意図する通りに他者からもみなされると考えがちだが、これは間違っている。深刻なイメージ上の間違いが何を引き起こすかを考慮して、米政府高官は慎重な態度をとるべきだし、特に危機に直面した場合の政策プロセスには慎重でなければならない。米朝関係がさらに悪化し、紛争へと向かっていくタイミングで、彼らはイメージ上の間違いを犯していないかを考える必要がある。これらに対処することでアメリカの政策決定者は、薄っぺらなクレディビリティと有害なイメージ上の間違いが引き起こす不必要な戦争のリスクを低下させることができる。(ジャービス、フーパー)

ワシントンは今後も平壌に最大限の圧力をかけ、北朝鮮との交渉をより広範な地域戦略に紐付けるとともに、軍事オプションを回避し、むしろ、同盟諸国との緊密な協調を通じて、地域的抑止体制と拡散防止策のための新たな試みを開始すべきだろう。この戦略なら、コストをかけずに、限定攻撃がもたらすかもしれない利益を(外交で)確保できる。米朝サミットが破綻しても、この戦略なら、米朝が直ちに戦争へ向かっていくシナリオを回避できる。(チャ、カッツ)

金正恩を北京に迎えたとしても、北京が北朝鮮の生存を我が事のように心配しているわけではない。両国の「同盟」関係はいまも名目的なままだ。北京の目的は平壌との関係修復ではなく、アメリカの地域的影響力に対抗し、朝鮮半島への中国の影響力を強化することに他ならない。米朝首脳会談について認識すべき重要なポイントは、北京が、戦争、外交のいずれのシナリオになっても、北朝鮮ではなく、中国の利益を確保しようと試みると考えられることだ。(マストロ)

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