Focal Points

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2018.4.03 Tue

米中冷戦は不可避なのか
―― 対中協調の余地は残されている

トランプ政権は「自由で開かれたインド太平洋戦略を、あらゆる地域プレイヤーが繁栄と安全を手に入れるための包括的ビジョン、そして中国に対抗するアメリカの同盟国とパートナーのためのネットワークとして描いているが、この戦略に中身はない。アメリカとその同盟国がアジア太平洋地域におけるもっともダイナミックな大国である中国を敵として扱って、安全と繁栄が包括的なものになることなどあり得ない。リビジョニストパワー、現状維持パワーという二つの顔をもつ中国の複雑な自己アイデンティティの片方にだけ焦点を合わせて、二つの大国間の存亡をかけた抗争をイメージするのは間違っている。(スワイン)

中国経済では、地方政府が経済プレイヤーとして、競争的な経済環境の一翼を担っている。しかも、北京が設定する広範な基準や政策は、伝統的な経済思考に合致するものではない。これらの要因を分析にとり入れなければ、中国で起きていることを誤解することになる。また、欧米諸国は中国の不安定な経済成長モデルを懸念するよりも、出稼ぎ労働者に社会・経済的サービスへのアクセスを認めるように説得することなどに力を入れるべきだ。そうすることで個人消費を刺激し、中国の貿易黒字を抑制し、世界貿易の緊張を和らげていく助けになる。地政学的には、国家間の経済システムの違いが懸念を生じさせることもあるが、その解決策がゼロサムゲームである必要はない。(ファン)

北京にしてみれば、強固な中国が経済、文化、政治、軍事領域で大きな影響力をもつのは、世界秩序に対する不自然な挑戦ではなく、「正常への復帰」であると考えられている。また、アメリカは自国の競争上の優位を失いつつあることが中国の台頭に繋がっていることを認識し、国内問題の解決により力を注ぐべきだ。米中は相手の行動を、警戒すべきものとみなすのではなく、国際関係における日常として受け入れるだけの懐の深さをもつべきだ。双方は相手が自国を傷つける行動や発言をしても、それを封じ込めや自国を支配しようとする試みとみなすべきではない。(キッシンジャー)

2018年4月号プレビュー

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