Focal Points

2017.5.24 Wed

社会科学を覆した2人のイスラエル人学者
―― トベルスキーとカーネマン

カーネマンという2人の偉大な心理学者は、人間が確率を考えるときに抱く体系的なバイアスを発見し、経済学、医学、法学、公共政策の研究と実践に革命を起こした。政治家の外交的判断も例外ではない。なぜジョンソン大統領はベトナムへの介入強化の決定をしたのか。朝鮮戦争やミュンヘンの宥和のような、間違った先例に介入の根拠を見出したのは、人間が出来事や人を、自分の先入観に適合するかどうかによって評価する「認識の近道」が引き起こした弊害だった。・・・(コン)

交渉を重視する賢明な外交政策も、交渉上の障害を可能な限り事前に取り除こうするあまり、逆に間違いを犯すことがある。安易に考案された交渉に入るための前提条件こそ、交渉による平和を勝ち取るための最大の障害となることが多い。(モルホトラ)

政治指導者を苦しめるのはいわゆる病気だけではない。権力の座にあるがゆえに精神的な変調をきたし、誇大妄想やナルシシズムに陥り、無責任な行動をとるようになる。・・・その結果、「政策遂行能力の完全な欠落」という事態に陥る。(ヌーランド)

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