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2017.10.4 Wed

ヨーロッパにおける首都と地方の対立
―― 首都を頼るか、それともEUか

スコットランドの独立運動は欧州連合(EU)の存在なしでは起こり得なかった。実際、NATOが外からの攻撃に対する盾を提供し、EUがその世界最大の市場へのアクセスを保証すれば、いかなる小国であっても、力強い国家になれる。力強いアイデンティティをもつスペインのカタルーニャもいずれ独立を模索するかもしれない。・・・(ヒル、シャピロ)

ブレグジット後に備える上で、これら連合王国の構成国や近隣国が参考にできるモデルがある。スウェーデンからニュージーランドまでの小規模な先進諸国(先進小国)だ。これらの国は教育を通じた人材育成、良質なインフラへの投資、危機に備えた規律ある財政政策の実施を心がけてきた。独立を目指すスコットランド、北アイルランドだけでなく、ブレグジットの大きな余波にさらされるアイルランドも、これら先進小国の叡知に学ぶべきだろう。(オサリバン 、スキリング)

昨今におけるドイツの影響力拡大を前に、ギリシャやイタリアなどの小国はすでにEUから遠ざかりつつある。一方、EU支持派の多くは、この超国家組織がなくなれば、ヨーロッパ大陸は無秩序に覆い尽くされると主張している。だが現実には、自己主張を強めた国民国家で構成されるヨーロッパのほうが、分裂して効率を失い、人気のない現在のEUよりも好ましいだろう。(グリジェル )

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