Focal Points

Jette Carr / wikipedia.org

2017.10.2 Mon

核武装国北朝鮮にどう向き合うか
―― 核不拡散の脅威から核抑止の対象へ(10月号プレビュー)

北朝鮮、そして米韓は、いずれも相手が先制攻撃を試みるのではないかと疑心暗鬼になっている。このような不安定な環境では、偶発事故、間違った警告、あるいは軍事演習の誤認が戦争へつながっていく。しかし、危機に対するアメリカの軍事的オプションは実質的に存在しない。金正恩体制が自らの経済的、政治的弱さによって自壊するまで、忍耐強く、警戒を怠らずにその時を待つ封じ込めと抑止政策をとるしかない。(サガン)

THAAD防衛システムは、アジアに展開する米軍と同盟国である韓国と日本を防衛することを意図している。ミサイル防衛は、北朝鮮のようなリビジョニスト国家による攻撃を抑止する効果がある。平壌は、防衛システムの存在によって韓国の反撃能力が温存されるシナリオを検討せざるを得なくなるからだ。THAADが完璧な防衛を提供できるわけではないが、平壌に対して、韓国の都市部に対するミサイル攻撃の成功は保証されないというメッセージを送ることができる。(ベルマント、スチャーギン)

韓国は追い込まれている。北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、核実験も強行した。米戦略への同調を求めるトランプ政権ともうまくいっていない。文在寅は北朝鮮とアメリカ、双方の戦略に巻き込まれるのを回避しようと、両国に対して今後さらに自国の立場を明確に主張していくつもりかもしれない。韓国の大統領にとって現状における最大の課題は、アメリカの戦術核の再配備、あるいは独自の核開発をつうじて国を核兵器で守ることを求める国内の声にどのように対処していくかだろう。(ムーン)

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