CFRブリーフィング
なぜ台湾総統選挙よりも
住民投票が注目されているのか
2008年2月号
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2008年2月号
2008年2月号
中国の民主化は一進一退を繰り返しながらも、先に進んでいる。必要なのは、一握りの支配層の権威と判断に依存するシステムから、広く受け入れられている拘束力のあるルールによって政府を運営するシステムへの移行を完遂させることだ。
地方での選挙、司法制度の改革、監督体制の強化をめぐって中国が現在進めている民主化の実験は、すべてルールを基盤とする制度への移行というトレンドのなかで行われているし、中国社会も開放化と多元性を模索して、しだいに市民社会の形成へと向かいつつある。大きな鍵を握るのが、胡錦涛の後継者がどのようにして選ばれるかだ。共産党メンバーの一部は、胡錦涛が引退する2012年までに、彼の後継を担う党総書記は、党中央委員会のメンバー全員の投票によって選ばれるようになるかもしれないと考えている。
孫文が1世紀前にそう望んだように、現世代の指導層も、民主主義こそ、中国人が長年にわたって模索し、命をかけて戦ってきた繁栄、独立、自由を実現するための最善の道であると考えているかどうか、今後の後継者選びがそれを測る大きな目安となる。
「インターネットが台頭し、若者が新聞・雑誌を読まなくなり、競争が過熱している」ために、プリントメディアの先行きを悲観する声も多く聞かれるが、「一方でそのブランド力、別の言い方をすれば、公共性を追求することで得られる特権(フランチャイズ)に注目して、プリントジャーナリズムの今後を楽観する声もある」
こう指摘するダウ・ジョーンズのピーター・R・カーン前会長は、「プリントメディアであれ、オンラインメディアであれ、もっとも重要なメトリックス(基準)は、購読者、あるいはネットユーザーが情報提供者をどのように捉えているかだ。これによって、読者、ユーザーのニュースブランドあるいは情報ブランドへの信頼関係、忠誠が築かれる」と指摘する。広告主も「そうしたブランドとユーザー間の結びつき、つまり、たんなる購読者数やクリック数ではなく、メディアブランドとユーザー間の信頼関係の質を評価する」と指摘した同氏は、プリントメディアの今後を左右するのはブランド力、フランチャイズだと強調した。
聞き手はリー・ハドソン・テスリク(www.cfr.orgのアシスタント・エディター)。
2008年2月号
自国のイメージを各国が気にするのはいまに始まった現象ではない。だが、この10年間で、国が自国のイメージや名声を管理していくために用いる手段は大きく様変わりした。各国政府はいまや広告代理店と契約し、かつては企業の広報部が用いていたブランドマネジメントの理論を採り入れてイメージづくりに応用している。国のブランド力を測る新しい基準も登場しているし、どのような国家ブランディング(国のブランド化)のテクニックが有効かをめぐってさまざまな議論が起きている。 国のブランディングに向けた努力は、いまや観光業を超えて幅広い領域で行われている。対外投資を引きつけ、貿易取引を加速し、民間部門の競争力を強化するだけでなく、地政学的な影響力を強化するといった目的を洗練された手法で実現するために、いまや国は広告代理店の力を借りている。
だが、こうした風潮のなか、国家ブランディングが引き起こす問題を指摘する声もある。優れた広報によって悪い政策の上辺だけを取り繕うようなことをすれば、大きなダメージが待ち受けているかもしれないからだ。
メドベージェフが大統領に、プーチンが首相になったときの権力バランスの再編に備えて、すでにクレムリンでは水面下で派閥抗争が始まっている。「だが、プーチンが自分の路線に合意していると確信するまでは、メドベージェフは大胆な行動はとれないはずだ」。
ロシアの現状と今後をこう分析するロシア問題の専門家、スティーブン・セスタノビッチは、メドベージェフは「よりリベラルで民主的なロシア」の統治を思い描いていると指摘する。事実、メドベージェフは「国営企業の役員に政府の役人が名を連ねる理由はない」と表明し、プーチンの側近たちが、こうした企業に巣食っていることを痛烈に批判をしている。ただし、メドベージェフが政策路線を変化させていくとすれば、「プーチン同様に、就任から1年か2年過ぎてからだろう」と同氏は語った。
聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
2008年2月号
「旧野党が連帯を組んだとしても、各政党間の反目は根強く、これが消えてなくなることはない。政府ポストの任命の段階になれば、激しく対立するようになる。地方政府レベルでも政治抗争が展開されていくことになるだろう」
「政府と軍の関係もパキスタン政治の亀裂を深くしていくことになる。文民指導者が台頭していけば、パキスタンで大きな影響力を持つ軍との関係も微妙になってくる。軍に対して現実的なアプローチをとるべきか、それとも反軍部の路線をとるかが問われることになるからだ」
「(パキスタンでの文民政府の誕生は、政治腐敗がますます増えることを意味すると考えられている)……歴史的に、文民政府が本来の道を踏み外すと、人々は軍が介入することをむしろ歓迎してきた。この悪循環を断つ必要がある」(D・マーキー)
2007年12月号
イスラム系政党である公正発展党(AKP)の政治的台頭を前に、トルコのイスラム化への懸念をトルコの世俗派も欧米世界の一部もぬぐい去ることはできずにいる。だが、そうした懸念の多くは誤解に根ざしている。いまやAKPと軍の役割が入れ替わっている。実際には、AKPとその支持者が親欧米路線とグローバル化を支持するようになり、軍部とケマリストの指導者はより内向きとなり、欧州連合(EU)とアメリカへの反発を強めている。現在のトルコが直面している切実な国内問題とは、イスラム化ではなく、ヨーロッパとアメリカに対するナショナリズムからの反発が大きくなりつつあることだ。……トルコ国内の民主改革と欧米志向の外交政策を促進していくには、トルコの政治的現実からみて、AKP以外に支持すべき政治勢力は見あたらない。
2007年12月号
コソボ自治政府は2008年早々にもセルビアからの独立を宣言し、これによって一気に情勢が流動化するとみる専門家は多い。ボスニア紛争を終結させたデイトン合意をとりまとめた人物として知られるリチャード・ホルブルックは、コソボが独立を宣言しても、「コソボ内のセルビア人地区は、独立したコソボの一部にはならないと宣言するだろうし、その結果、もう一つの分離独立メカニズムが生まれることになる」と警告する。さらに、これまで抑圧されてきたアルバニア人がコソボ内のセルビア人に報復策をとれば、セルビアがコソボに軍隊を派遣する危険もある。「1992年にボスニアが独立を宣言した際も、ボスニア内のセルビア人地域は独立を受け入れることを拒絶し、これによって、非常に凄惨なボスニア紛争が起き、多くの命が奪われた。これと同じことが、今回、コソボの独立をめぐって繰り返される危険がある」と指摘するホルブルックは、こうした事態を回避するには、現在コソボに展開している国際治安部隊(KFOR)を増強して、駐留を継続させる必要があると強調した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。
2007年11月号
2007年11月号