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テーマに関する論文

CFRインタビュー
イラクからの撤退か、増派策の遂行か

2007年9月号

スティーブン・ビドル 米外交問題評議会シニア・フェロー

多くの議会指導者は、大統領が想定する増派路線よりも少ない戦力で活動し、完全な撤退はしないという中道路線を重視している。……その理由は、彼らが、大統領の増派路線が不評であること、そして一方で、犠牲を引き受けるのをやめて撤退するのも政治的に敗北を認めることにつながることを理解しているからだ。だが、この程度の戦力では、任務上の有意義な成果を上げることは期待できない。数万人の兵士を残留させても、米軍がテロ集団のターゲットにされるだけの話だ。つまり、何か有意義なことをするにも、犠牲者を少なくするにも規模が小さすぎる。論争されている路線の両極端に位置する二つの選択肢、つまり増派か完全撤退策のほうが、その間に位置する路線よりも合理性がある。(スティーブン・ビドル)

CFRインタビュー
米軍増派とスンニ派との協調でイラクは安定化へと向かいだした

2007年9月号

マイケル・J・ミース 米陸軍士官学校政治学教

スンニ派の部族が米軍との協調を求めてきたのは、アルカイダのイデオロギーがシャリア(イスラム法)を基盤とする過度に厳格なものであることにスンニ派も気づきだし、最終的にタリバーン流のイデオロギーを拒絶したからだ。地方における治安の安定化をもたらしている米軍とスンニ派の協調がなぜ実現したかについて、ウエスト・ポイント(米陸軍士官学校)の政治学教授で、イラク駐留米軍のペトレイアス司令官の顧問を務めるマイケル・ミース大佐は、こう指摘する。「イラク・アルカイダ機構は、組織に忠誠を尽くす人物の結婚相手に部族長の娘を差し出すように強要し、気に入らぬ者の首をはねることも気にかけなかった」。スンニ派が嫌がることをアルカイダが無理強いし、大量虐殺を行うなか、スンニ派部族も「もうたくさんだ」と考えるようになった、と。邦訳文は英文からの抜粋・要約。ミースの意見は彼個人のもので、ペンタゴンの公的立場とは関係ない。聞き手はグレッグ・ブルーノ(www.cfr.orgのスタッフ・ライター)。

CFRミーティング
S・ハドレー大統領補佐官が語るイラクの行方
―― 増派策の成功を拡大し、政治的和解を進めるには

2007年9月号

スピーカー スティーブン・ハドレー 米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)
司会 トマス・R・ピカリング 元米国連大使

イラクのスンニ派部族がアルカイダに立ち向かうために、米軍やイラク政府と協調するようになったように、シーア派の部族が、イランの支援を受けたマフディ軍団に立ち向かうような環境を作る手助けができればと思う。そして、バグダッドのイラク政府が、こうした二つの流れを、脅威としてではなく、うまく生かすべき機会として捉えるようにわれわれは強く働きかける必要がある。スンニ派、シーア派の部族集団が米軍やイラク政府と協力するように働きかけ、治安の確保に向けた流れを作り出し、人々が安心して暮らせるような環境を作る必要がある。これを、われわれはボトムアップ型の政治的和解プロセスと呼んでいる。……今後政治的に必要なのは、イラクの連邦制がどのような形態のものになるか、それがいかに機能するかについて、(シーア派、クルド人、スンニ派)三つのグループが共有できるビジョンを形作ることだ。……われわれが、破綻したイラクを(アメリカの)次期政権に委ねることはない。成功を収めつつあり、継続する価値のある路線を新政権に託すことになるだろう。

CFRインタビュー
北朝鮮は核の解体には応じない?

2007年9月号

ゲリー・サモア 米外交問題評議会副会長兼研究部長

クリストファー・ヒル米国務次官補は、2007年2月の合意には「北朝鮮が保有するすべての核兵器の解体が含まれる」と解釈しているが、「核廃棄に触れた部分は合意文書にはないし、私は、北朝鮮が保有する核兵器の廃棄・解体に応じるとは考えていない」。北朝鮮との交渉は、核の放棄をめぐっていずれ暗礁に乗り上げる、とみる核不拡散問題の専門家、ゲリー・サモアは、北朝鮮は「老朽化した核施設の解体・無力化には応じるだろうし、彼らが妥当と考える見返りが期待できる状況であれば、これまで秘密にしてきたウラン濃縮活動についても公表するかもしれない」。だが、北朝鮮が核を放棄する可能性は低く、今後、交渉が行き詰まれば、再び中国が、調停役として中枢的な役割を担うようになるだろうと今後を見通した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

平壌への長い道のり
――戦略なき政策決定のケーススタディ

2007年9月号

マイケル・J・マザール 米国防大学教授

北朝鮮への路線をめぐるブッシュ政権の戦略的混迷は、主要な政策決定者が、戦略ではなく、原則でものを考えがちだったことの帰結だし、そうした原則重視路線こそ、ブッシュ政権の特徴である。高官の多くが、戦略ではなく、道義的な考慮を基盤に政策を決定してきた。入念に検討した目的を実現するための戦略志向を重視するのではなく、「北朝鮮が邪悪な政権によって率いられている以上、アメリカはX、あるいはYをしなければならない」と考えてきた。こうした意思決定プロセスには、指導者のパーソナリティーが大いに関係している。よく言われることだが、外交政策をめぐる政策決定者は、ただ一人、大統領しかいない。北朝鮮のケースは、その具体例だ。ブッシュ大統領が政策決定に関与したケースでは、彼が好ましいと思う路線、直感、反応がそのプロセスを支配した。結局、政策決定プロセスの全体が、大統領の意向に左右された。こうしたやり方が機会をつくりだすこともあるが、非常に大きなリスクを伴うこともある。

「私は、(ニューヨーク)市長としての経験から、都市の問題地域の治安をうまく確立すれば、安心して生活できる全体的秩序を速やかに回復できることを知っている。商店主は店を開け、人々も帰ってくる。子供たちが歩道で遊ぶようになり、節度ある法に守られたコミュニティーが再生する。同じことが世界秩序についても言えると思う。世界における治安の悪い地域の秩序の乱れを放置しておけば、問題は広がりを見せていく。悪い行いを放置すれば、さらに悪い行動を助長することになる。だが、国際的な基準やルールを支えていくためのバランスのとれた試みを行えば、民衆、経済、そして国家は躍動感と繁栄を手にできるようになる。決意ある行動によって支えれば、市民社会は混沌を抑え込むことができる」

CFRミーティング
エネルギーに関する真実に目を向けよ

2007年9月号

スピーカー
リー・R・レイモンド 全米石油審議会(NPC)理事長
司会
ジョン・ダッチ マサチューセッツ工科大学(MIT)教授

「湾岸諸国の原油増産に世界経済はますます多くを依存していくことになる。サウジの場合は、資源や資源開発の資金だけでなく、サウジ・アラムコという石油企業を持っており、原油の増産は可能だろう。一方、クウェートに増産能力があるかどうかは疑問だ。イラクとイランは、資源開発とは別の次元で問題を抱えている。とはいえ、イラクの場合、サダム・フセインが、当時イラクで活動していた石油開発コンソシアムを国外追放処分にした1971年以降、本格的な石油資源の探索は行われていない。つまり、石油資源という面でイラクはかなりの潜在力を秘めている」

「奇妙なポイントは、車の燃費がよくなればよくなるほど、人々がドライブする走行距離が伸びており、結局、ガソリン消費量には変化が出ないということだ。こうした状況をいかに管理していくかは、政治的に非常に難しい問題だ」(リー・レイモンド)

いまこそイランとの緊張緩和を

2007年9月号

レイ・タキー 米外交問題評議会 中東担当シニア・フェロー

この30年近く、双方の敵意に満ちた感情と無責任なレトリックゆえに、アメリカとイランが合理的関係を構築するのは不可能な環境にあった。イランの現実主義者は常にイデオロギー的強硬派に敗れ去り、アメリカとイランの共通の利益も、歴史的対立のなかで見えなくなっていた。しかし、現在、イランには新保守派のなかに力強い現実主義者の集団が誕生し、しかも彼らは、ワシントンとの協調路線を積極的に唱えている。これに呼応して、ワシントンが緊張緩和路線にそった包括的戦略を考案し、実施していけば、両国が相互の敵対感情を克服できる瞬間がいずれ訪れる。……アメリカが国交を正常化させ、両国が抱え込んでいるすべての懸案について話し合いを始めれば、イランは正統な必要性を満たすことを優先させるのか、それとも、自己欺瞞の妄想にとらわれ続けるのかを選ばざるを得なくなる。

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