
アメリカのユダヤ系コミュニティーがまだ大きくも強くもなく、イスラエルロビーなど存在もしなかった19世紀末に、アメリカにおけるキリスト教系の各界指導者たちは、すでに、「聖書の地」にユダヤ人国家を建設する外交努力を支持する態度を明確にしていた。……孤立し疎外された民であり国であるユダヤ人とイスラエルを支援することが、しばしばアメリカの評判を落とし、別の問題をつくることになっても、アメリカ人は気にしない。アメリカがイスラエルの保護者、ユダヤ人の友人という役割を引き受けたのは、神が特有の運命を与えられた国という自らの地位を正当化するためでもあった。……アメリカの親イスラエル路線は、小規模なロビイストが世論の意図に反して勝ち取ったものではない。むしろこれは、専門家の懸念にもかかわらず、外交政策を形成する世論のパワーを物語っている