Frame China / Shutterstock.com

輸出主導型経済成長モデルの終わり?
―― アジア経済が苦境に陥っている本当の理由

ブライアン・P・クライン/外交問題評議会国際関係(日立)フェロー
ケネス・ニール・クキエル/英エコノミスト・ビジネス・金融担当東京駐在特派員

Tamed Tigers, Distressed Dragon
― How Export-Led Growth Derailed Asia’s Economics

Brian P. Klein 米国務省を経て、現在は米外交問題評議会の国際関係(日立)フェロー。北京のアメリカ大使館で中国の地域経済統合策、貿易、国際投資、エネルギー政策などを担当した。
Kenneth Neil Cukier エコノミスト誌の日本経済・金融担当特派員

2009年8月号掲載論文

輸出依存型のアジアの経済成長モデルはこれまでうまく機能したし、20世紀最後の25年間にグローバル貿易が世界のGDP成長率の2倍のペースで拡大するという幸運にも恵まれた。しかし、輸出主導型経済成長の時代はすでに終わっている。・・・「アジア経済は欧米経済からほぼ独立した経済圏になった」という見方が一時は浮上したが、実際には、アジアの地域内輸出の約60%は中間財で、中国を経由して最終的には欧米諸国へと輸出されるグローバル・サプライ・チェーンの一部だった。その結果、アメリカの消費需要の激減という事態を前に、アジアの製造業も崖から突き落とされてしまった。アジア諸国が、貿易不均衡を是正し、国内消費を増大させ、社会のセーフティーネットを整備するといった必要不可欠な経済改革を実施しなければ、アジア地域は、長期にわたる低成長から抜け出せなくなる恐れがある。

  • アジア経済の本質とはなにか
  • グローバル経済危機とアジアの経済的奇跡の終わり
  • 外需依存型経済の弊害
  • アジア諸国は人々の生活不安を取り除く政策を
  • 経済危機がアジアの社会不安を増大させる

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