1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

― 北東アジア安全保障に関する論文

CFRインタビュー
核実験は政治的デモンストレーションだ

2006年11月号

ゲリー・サモア 米外交問題評議会副会長

北朝鮮が(交渉から離脱してミサイル実験・核実験を強行するという)より攻撃的な路線をとることを決めたのは、アメリカが2005年秋に発動したマカオの銀行の北朝鮮関連口座に関する金融制裁措置が背景にある。「核実験を行い、自分たちが核武装国家であることをはっきり知らしめれば、金融制裁を科しているアメリカを追い込めると考えたのだろう」。北朝鮮が核実験に踏み切った動機をこう分析するサモアは、今回の安保理の経済制裁決議を評価しつつも、決議の内容は「北朝鮮が生き延びていくために必要な外国からの援助や取引に直接的な影響を与えるようなものではなく、むしろ、北朝鮮は、中国と韓国が、体制の存続を脅かすような制裁から守ってくれることを依然として期待している」とコメントした。

CFRインタビュー
いまこそ平壌を外交路線に引き戻せ

2006年11月号

アラン・D・ロンバーグ ヘンリー・スチムソン・センター シニアアソシエート

「交渉路線に門戸を開いている」と表明しつつも、交渉を続けてもどうにもならないとブッシュ政権は考えており、当面、北朝鮮を締め上げるしかないとみている。北朝鮮も交渉に戻ることに利益があるとは考えておらず、核実験に踏み切ったのはこうした情勢判断をしたからかもしれない。また、核問題よりも、北朝鮮情勢の流動化を回避することを戦略的観点から重視している中国は、韓国同様にアメリカの強硬路線と歩調を合わせるとは思わない。こうした環境にある以上、2005年9月19日の原則合意を先に進めるために、アメリカが北朝鮮を交渉の場に引き戻す努力をするのかどうかで今後は左右されるとロンバーグはみる。2005年の合意は関係勢力のすべてが重視する適切な方向性を示しており、そのなかには、北朝鮮の非核化も含まれている、と。

日中関係はどこへ向かうのか
 ――政治化された歴史とライバル意識の行方

2006年3月号

ケント・E・カルダー  ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー・センター所長。

小泉首相の個人的、政治的思惑が何であるにせよ、そして、その意図がうまく理解されていないとしても、彼の靖国参拝は、国際的に日本の外交路線を大きく誤解させる火種をつくり出し、日本と中国の指導者が2国間の経済・安全保障関係を管理していくのをますます難しくしている。しかし、ポスト小泉の指導者は大きな機会を手にすることになる。新首相は、日中の首脳会談を復活させ、エネルギー・環境問題をめぐる中国との対話路線を強化し、世俗的な戦没者追悼施設建設の可能性を模索し、靖国神社への参拝を慎むことができる。こうした路線をとれば、日本は外交的な優位をつくり出せるし、日本と中国は、とかく政治的論争となりがちな歴史問題に気を奪われることなく、両国の関係の安定化という真の課題に取り組めるようになるだろう。

以下は、これまでに発表された北朝鮮関連のフォーリン・アフェアーズ論文、米外交問題評議会リポート、ガーズマン・インタビューシリーズなどを資料にフォーリン・アフェアーズ・ジャパンで作成したQ&A集。資料として用いた論文、リポート、インタビューの一部は、www.cfr.org、www.foreignaffairs.orgあるいはwww.foreignaffairsj.co.jpからアクセスできる。参考文献については文末を参照。

ブッシュ政権の対北朝鮮強硬策の全貌
――「強硬なエンゲージメント政策」の目的は何か

2002年5月号

ビクター・D・チャ ジョージタウン大学外交学部準教授

「対話と交流を重ね、変化が起こるのを辛抱強く待つ」という、かつての対北朝鮮エンゲージメント政策はすでに放棄されている。脅威を醸成し、それをカードに利益を引き出すという平壌のやり方をブッシュ政権が今後容認することはあり得ない。強硬なエンゲージメント政策の本質は、関与策を通じて、平壌の敵意に満ちた意図を暴き、それが白日の下にさらされた場合には強硬策をとり、半島の統一を前提に、東アジアの戦略環境を整備していくことにある。

現実味を帯びてきた台湾海峡危機

2001年7月号

カート・M・キャンベル  戦略国際問題研究所上席副会長 デレク・J・ミッチェル 戦略国際問題研究所上席研究員

北京と台北の間の軍事・政治上のコミュニケーションラインが存在しないために、理解不足からの誤算が生じる危険が近年とみに高まっている。これまで北京は、台湾が現状の変革を試みるのであれば、武力行使も辞さないという態度をとってきたが、いまや「台湾が現状の姿勢を維持するようであれば、武力行使を検討する」としている。アメリカの台湾海峡政策の本質は、問題の最終的解決を永遠に先送りし、この地域での平和と安定を維持することにあったが、このままでは、これまでに先送りしようとしてきた問題が目の前にあることをいずれ思い知ることになるかもしれない。

米外交問題評議会ミーティング
オルブライトVS.キッシンジャー
――米中・北朝鮮、ミサイル防衛、人道的介入の将来

2001年6月号

ジョージ・シュルツ ウォーレン・クリストファー  マドレーン・オルブライト ヘンリー・A・キッシンジャー

私が懸念しているのは、偵察機接触事故が、権力移行期に突入した中国において強硬派の立場を有利にしはしないか、一方でわれわれが中国を新たな敵対勢力と決めつける動きにつながりはしないかということだ。(オルブライト)

われわれがなすべきこと、われわれにできること、われわれが望むこと、そしてわれわれにはできないこと、これらを区別して理解しなければならないし、国益概念にはこれらのすべてがかかわってくる。(キッシンジャー)

北東アジアの新局面

2001年2月号

ケント・E・カルダー 駐日アメリカ大使特別補佐官

金大中は南北首脳会談を通じて北朝鮮を孤立から救い出し、日本を安心させ、韓ロ双方にとって互恵的な経済取り決めによってロシアの利益認識も刺激してみせたが、北東アジアでの新たな力学はより大きくて予期せぬ変化を表へと引きずり出すかもしれない。一九九〇年代半ばに二十基だった台湾海峡地域に配備された東風二号などの短距離ミサイルの数は、九九年までに二百に達し、いまや一週間に一基ずつ増え続けている。現在形成されつつある流動性に満ちた北東アジア秩序には、一連の二国間安保関係だけでなく、トラック二プロセスを含む、より幅広い包括的安全保障メカニズムが必要である。

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