世界エネルギーアウトルック
2015年1月号
原油価格については現在のような水準が1-2年は続くのではないかと私はみている。だが、価格が低下すれば、投資が低下し、需要が上向く。1-2年、あるいはもっと早い段階で、原油価格が上昇し、過去数年間のようなレベルに戻るとしてもおかしくはない。・・・2020年以降は米シェールオイルの生産の伸びは鈍化するだろう。さらに現在の低い原油価格が(投資を低調にし)、シェールオイルの開発・生産を抑え込むと考えられる。2015年には投資計画の見直しが行われるだろうし、価格が現状のままなら、その投資規模はおそらく10%程度小さくなり、その余波が2016年以降に現れてくる。・・・2025年までには、中東での石油増産が再び必要になるが、投資が低調な現状から推定すると中東石油の増産を期待するのは難しいだろう。現在の中東情勢、イラク情勢をみると、現地への投資に関心を示すものはいない。多くの専門家が考えるように、現在の中東の地政学状況が構造化し、今後も続くようなら、投資が進むはずはなく、2020年代に中東原油の増産を期待するのは難しくなる。
