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ヨーロッパのイスラム教徒
―― アイデンティティ危機とイスラム
原理主義

ファラ・パンディッシュ(スピーカー)ジョナサン・マスターズ(プレサイダー) 前国務省特別代表(イスラム社会担当)www.cfr.org 副編集長

Falah Pandith on Violent Extremism

Farah Pandith 米外交問題評議会シニアフェロー(非常勤)。米国際開発庁、国家安全保障会議、ホワイトハウススタッフ、国務省特別代表(イスラム社会担当)などを経て現職。

2015年2月号掲載論文

ヨーロッパで暮らすイスラム教徒の若者たち、特にミレニアム世代の若者たちは、アイデンティティ危機に直面している。自分が誰なのかを自問し、両親もその答をもっていない自画像の問題に思い悩んでいる。こうして、インターネットで情報を探したり、答を示してくれる人物がいそうな場所に出入りしたりするようになる。パリのテロ事件にも、明らかにこのメカニズムが作用している。次の段階に進もうとアイデンティティを模索するヨーロッパのイスラム教徒の若者たちが、イスラム過激派・原理主義勢力が示すストーリーに魅了されるのは不思議ではない。問題は、イスラム過激派がイスラム教徒はどのようにあるべきか、どのように暮らすべきかだけでなく、彼らを取り巻く環境がどのようなものでなければならないかについて、極端に厳格でイデオロギー的で、教条主義的な立場をとっていることだ。彼らは他者への寛容という概念を明確に拒絶し、「われわれ対彼ら」という精神構造をもっている。これを解体しなければならない。・・・だが、イスラム過激派のイデオロギーに対抗できるのは、同じイスラム社会内部の信頼できる人物によるメッセージだけだろう。

  • ヨーロッパのイスラム教徒
  • 表現の自由とイスラム過激主義
  • イスラム過激派のメッセージ
  • 問題は経済環境ではない

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