プーチンの目的はロシア国内にある
―― クリミア侵略とロシアの国内政治
2014年4月号

プーチンは、(ヤヌコビッチ政権を倒した)ウクライナの革命を、「ロシアの地政学的な敗北」とみていただけでなく、「その背後には欧米がいる」と考えていた。プーチンにとってウクライナの革命が厄介だったのは、それが、ロシアの政治・経済システムの脆弱性への懸念が高まっていたタイミングで起きただけでなく、ウクライナ人が不満を感じ、立ち上がったのと同じ問題がロシアにも存在したからだ。支配エリートと経済オリガークたちのつながりを前提とする腐敗した略奪政治に対する不満はロシアにも存在する。しかも、今後の経済展望に明るい部分はなく、ロシア政治は対立で覆われている。プーチンはウクライナの革命がロシアへと飛び火することを警戒している。だが、そうだとすれば、出口戦略を描くのは不可能ではないだろう。・・・