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プーチンの目的はロシア国内にある
―― クリミア侵略とロシアの国内政治

ブライアン・D・テイラー シラキュース大学准教授(政治学)

The Invasion of Crimea and Putin’s Political Future

Brian D. Taylor アメリカの政治学者で、シラキュース大学准教授(政治学) 同大学マックスウェルスクール・ヨーロッパ研究センター・ディレクター。専門はロシアの政治。著書にState Building in Putin's Russia: Policing and Coercion After Communism (Cambridge University Press, 2011).などがある。

2014年4月号掲載論文

プーチンは、(ヤヌコビッチ政権を倒した)ウクライナの革命を、「ロシアの地政学的な敗北」とみていただけでなく、「その背後には欧米がいる」と考えていた。プーチンにとってウクライナの革命が厄介だったのは、それが、ロシアの政治・経済システムの脆弱性への懸念が高まっていたタイミングで起きただけでなく、ウクライナ人が不満を感じ、立ち上がったのと同じ問題がロシアにも存在したからだ。支配エリートと経済オリガークたちのつながりを前提とする腐敗した略奪政治に対する不満はロシアにも存在する。しかも、今後の経済展望に明るい部分はなく、ロシア政治は対立で覆われている。プーチンはウクライナの革命がロシアへと飛び火することを警戒している。だが、そうだとすれば、出口戦略を描くのは不可能ではないだろう。・・・

  • 「立憲主義を無視したクーデター」
  • プーチンの言う「欧米の陰謀」とは
  • ロシア市民のプーチンに対する不満
  • 停滞する経済と混乱する警察国家
  • クリミアからの出口戦略

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